金融法務事情

2016年12月25日号(2056号)

金融法務事情

目次

年末恒例企画

 金融法務この1年
 2016年 法令・金融業務関係等の動き
 全国銀行協会 大野正文
 
 2016年 判例等の動き
 弁護士 濱田広道
 
 【資料】 平成28年成立・施行の金融法務関連法律等と本誌関連記事

論 説

 改正監督指針によるステイの対外効確保のための規制の導入と実務上の対応
 弁護士 小幡映未子
 
 船荷証券の電子化とそれに伴い金融機関に求められる対応
 弁護士 福田政之
 

担当者解説

 「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」の概要
 個人情報保護委員会・弁護士 和田洋一
 

時 論

 インサイダー取引規制に関する新判断―最一小決平28.11.28―
 弁護士 白井 真
 

金融法務最前線

 誤送金と債務不履行に基づく銀行の損害賠償責任――損害額に関する一考察――
 西日本シティ銀行 加来輝正
 

法制審ニュース

 〈第15回〉 相続法改正の最新動向
 民法(相続関係)部会、第15回会議を開催

連 載

 金融実務からみる判例の読み方
 〈第5回〉判例の拘束力の範囲をめぐる問題(2)
 肥後銀行 粢田 誠
 
 実務相談 銀行法
 〈第49回〉議決権の取得等の制限(合算5 %・15%ルール)(3)  各論③ 合算5 %・15%ルール以外の議決権の取得等の制限(その2)、金融関連IT企業等への出資
 家根田正美/小田大輔
 

法務余(夜)話

 六法あれこれ

営業店コーナー

■金融判例に学ぶ 営業店OJT〈金融犯罪編〉
 犯罪に利用されている預金口座からの払戻し・引出し行為が詐欺罪・窃盗罪とされた事案
 弁護士・公認不正検査士 上島正道
 
実務相談室
 クロスボーダー与信取引に際する留意点~「オフショアローン」と「海外担保」~
 三菱東京UFJ銀行・弁護士 藤﨑 毅
 

判決速報

●【①事件】購入者の販売会社に対する自動車の割賦売買代金債務を連帯保証した信販会社が、上記代金債権の担保として販売会社に留保された自動車の所有権の移転を受けたものの所有者としての登録を受けないでいたところ、購入者から破産手続開始の申立て予定の通知を受けたため、保証債務の履行として上記代金残債務を全額弁済し、購入者から上記自動車の引渡しを受けてこ
れを換価し、その代金を自己の債権に充当した行為について、既存の債務の消滅に関する行為(代物弁済)に該当するとして、購入者の破産管財人による否認権の行使が認められた事例
 【②事件】販売会社と購入者との間の自動車の割賦販売契約に係る割賦元金および割賦手数料を連帯保証した信販会社が、販売会社に対して保証債務を履行したことにより販売会社に留保されていた上記自動車の所有権を法定代位により取得したものの、購入者につき破産手続が開始されて破産管財人が選任された時点で上記自動車につき所有者としての登録を受けていないときに、留
保した所有権を別除権として行使することができるとした原審の判断が控訴審で維持された事例

(①事件=名古屋高判平28.11.10 原審=名古屋地裁岡崎支判平27.12. 3 )     
(②事件=札幌高判平28.11.22)

●【①事件】債権者(銀行)が相殺等を行う場合、債権債務の利息、損害金等の計算については、その期間を債権者による計算実行の日までとする旨合意して銀行取引をしていた主債務者に破産手続が開始された後、債権者が連帯保証人に対する保証債務に係る債権と連帯保証人の債権者に対する預金債権を相殺した場合、債権者の破産債権の額は、破産手続開始時の債権全額で
あるとされた事例
 【②事件】連帯保証人に破産手続が開始された後、債権者が主債務者に対する貸付金債権と主債務者が債権者に対する預金等債権を相殺した場合、債権者が連帯保証人の手続において行使し得る破産債権の額は、破産手続開始時の債権全額であるとされた事例

(①事件=神戸地裁尼崎支判平28. 7 .20)     
(②事件=神戸地裁尼崎支判平28. 7 .20)

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