2016年12月25日号(2056号)
●【①事件】購入者の販売会社に対する自動車の割賦売買代金債務を連帯保証した信販会社が、上記代金債権の担保として販売会社に留保された自動車の所有権の移転を受けたものの所有者としての登録を受けないでいたところ、購入者から破産手続開始の申立て予定の通知を受けたため、保証債務の履行として上記代金残債務を全額弁済し、購入者から上記自動車の引渡しを受けてこ
れを換価し、その代金を自己の債権に充当した行為について、既存の債務の消滅に関する行為(代物弁済)に該当するとして、購入者の破産管財人による否認権の行使が認められた事例
【②事件】販売会社と購入者との間の自動車の割賦販売契約に係る割賦元金および割賦手数料を連帯保証した信販会社が、販売会社に対して保証債務を履行したことにより販売会社に留保されていた上記自動車の所有権を法定代位により取得したものの、購入者につき破産手続が開始されて破産管財人が選任された時点で上記自動車につき所有者としての登録を受けていないときに、留
保した所有権を別除権として行使することができるとした原審の判断が控訴審で維持された事例
(①事件=名古屋高判平28.11.10 原審=名古屋地裁岡崎支判平27.12. 3 )
(②事件=札幌高判平28.11.22)
●【①事件】債権者(銀行)が相殺等を行う場合、債権債務の利息、損害金等の計算については、その期間を債権者による計算実行の日までとする旨合意して銀行取引をしていた主債務者に破産手続が開始された後、債権者が連帯保証人に対する保証債務に係る債権と連帯保証人の債権者に対する預金債権を相殺した場合、債権者の破産債権の額は、破産手続開始時の債権全額で
あるとされた事例
【②事件】連帯保証人に破産手続が開始された後、債権者が主債務者に対する貸付金債権と主債務者が債権者に対する預金等債権を相殺した場合、債権者が連帯保証人の手続において行使し得る破産債権の額は、破産手続開始時の債権全額であるとされた事例
(①事件=神戸地裁尼崎支判平28. 7 .20)
(②事件=神戸地裁尼崎支判平28. 7 .20)
2022年4月のお申込み(または4月号の購読起算月)から年間購読料を26,400円(税込)に改定させていただきました。
KINZAIストアからバックナンバーの単品購入はできません。
在庫状況によりご購入いただける場合がありますので、一般社団法人金融財政事情研究会にお問い合わせください。
また、電子書籍でのバックナンバー販売をしている場合がありますので、ご利用ください。