貸出業務の王道

貸出業務の王道

定価:2,640円(税込)

編・著者名:吉田重雄(著)

発行日:2011年03月11日

判型・体裁・ページ数:四六・304ページ

ISBNコード:978-4-322-11757-8

書籍の説明

著者の略歴

好評既刊(いずれも吉田重雄著)
『事例に学ぶ貸出判断の勘所―資金使途の検証にみる「貸出の王道」―』
『事例に学ぶ貸出先実態把握の勘所―「取引先概要表」の作成と財務・実体面の動態把握―』
『事例に学ぶ貸出担当者育成の勘所―貸出業務の本質とOJTによる人材育成―』

書籍紹介及び目次抜粋

◆現在行われている貸出業務は「真っ当」なものですか。「貸出金の原資は預金」であり、貸出業務の要諦は「貸出金が焦げ付かないようにすること」であることを忘れてはいませんか。不良債権処理にメドがついたからといって金融機関にとって「バブルは終わっていません」。貸出業務の原点を見つめ直し、二度とあのようなことにならない態勢を構築してこそ「終わった」といえるのです。
◆取引先実態把握・債権管理の重要性・手法、貸出業務における基本動作、貸出業務の法律的裏付け、貸出担当者の育成手法、貸出業務の実績評価のあり方……。本書1冊で貸出業務の真髄・原理原則、まさに「王道」を確認することができます。
◆好評既刊を手に全国の地域金融機関において研修講師を務めた筆者が、そこで確認した現実(金融機関における貸出業務の現状)をふまえて書きおろした渾身の1冊。金融機関職員が座右の書とするにふさわしい決定版。
●主要目次●
プロローグ
バブルを知らない銀行員/「もはやバブル後ではない」という考え方
寄り道 三重野康(元日本銀行総裁)によるバブル期の回想
第1部 貸出業務の現実と問題点
第1章●収益・ボリュームをふやすことが本質ですか
貸出業務の「目標達成ゲーム」化/「貸出セールス」の問題点/「顧客第一」「顧客満足」というスローガン/貸出業務の要諦/「早割り」「早貸し」/「借りてください」というお願い/実績欲しさ――そこまでして貸すのですか/他行貸出の全額肩代わり/収益欲しさ――儲けるためならなんでもするのですか/貸出業務を数値で管理すること/数値に振り回される貸出業務
第2章●債権管理(貸出先実態把握)を手抜きしていませんか
貸出先の業績チェック/決算書のコンピュータ分析の功罪/表面的な分析は無意味/静態分析より大切な動態把握/貸出金の資金使途のチェック/取引先概要表の記載内容の正確性/取引先概要表の記載事項の意味/管理資料から読み取る実態把握/三現主義――百聞は一見にしかず/預金の動き/業種・業界動向
第3章●法律的側面を軽視していませんか
貸出業務の法律知識/銀行取引約定書/契約書・約定書/銀行法一条/経常運転資金貸出を長期貸出で採り上げること/経常運転資金貸出を当座貸越(極度)で採り上げること/貸出事務の重要性/優越的地位の濫用/「法律的に問題がなければ……」という考え
第4章●貸出業務に携わる人と組織の問題が何か、わかりますか
担当者の貸出業務に対する意識と勉強/「面倒くさいから……」という言い訳/人材育成の担い手/貸出業務の成果に対する評価尺度
第2部 貸出業務の原点
第5章●貸出業務に携わる者としての自覚をもちましょう
貸出担当者の矜持/期待の倫理/コンプライアンス意識/貸出金の原資――預金者の預金/貸すも親切、貸さぬも親切/貸出業務と収益至上主義/「清濁併せ呑む」/仕事への姿勢――どこを向いて仕事をしていますか/王道を歩む
第6章●貸出業務の基本を守りましょう
基本は重要――ないがしろにしていませんか/貸出の基本原則/安全性の原則/収益性の原則/成長性の原則/公共性の原則/貸出判断のプロセス/貸出先の信用調査(定量分析)/中小企業の決算書/財務分析/粉飾決算/コンピュータによる決算分析/決算説明の聞き方/貸出先の信用調査(定性分析)/貸出先の事業基盤/貸出先の経営者/貸出先の経営環境/貸出先の業界動向/資金使途と借入申出金額の検討/貸出金の使途管理/運転資金の使途/借入申出金額の検討/貸出取引の形態/商手割引/手形貸付/証書貸付/当座貸越/担保と保証/担保についての間違った理解/徴求時の留意点/信用保証協会の保証/債権管理
第7章●組織として貸出業務を見直しましょう
銀行(経営)が宣言すべきこと/支店における教育が基本(1)(支店を塾にする)/支店における教育が基本(2)(OJTの実践)/人事ローテーション/研修のあり方/実績評価のあり方
第8章●貸出業務の原点回帰を目指しましょう
「唄を忘れた金糸雀」/温故知新/ルネサンス/倫理と志
エピローグ
当事者意識をもって/倫理学の視点から考える/実績評価のあるべき姿/最後に