日本型PMIの現場論: 中小M&Aの成功確率を高める勘所

日本型PMIの現場論: 中小M&Aの成功確率を高める勘所

定価:2,860円(税込)

編・著者名:竹林 信幸[著]

発行日:2026年09月29日

判型・体裁・ページ数:A5判・並製・292ページ

ISBNコード:978-4-322-14672-1

書籍紹介

成約から成功へ

――PMIの現場で求められる「判断のしかた」

◆M&Aの成否を左右するPMIを、単なる統合作業や手順の問題ではなく、「判断の連続」として体系的に解説。買い手と売り手がみている異なる景色、従業員の不安や沈黙、意思決定の歪みなど、中堅・中小企業の現場で起きる問題をひもとき、日本型PMIの本質と成功への道筋を明らかにする。

◆M&A直後の3カ月を中心に、実務・組織・感情という3つの課題、維持・結合・発展の3ステップ、PMI推進チームに必要な5つのコアスキルを具体的に整理。企業文化の摩擦、権限・評価制度の設計、KPIとモニタリングなど、どこで判断を誤りやすく、何をどの順番で進めるべきかを、豊富な事例と実践的な視点から詳説。

◆初めてPMIに取り組む経営者や実務担当者が陥りやすい「無免許運転」の構造を示し、中小PMIガイドラインの活用法や外部支援の意義、現場で使える判断の勘所を提示。経営者、経営企画・事業部門、M&A仲介・金融機関、士業・コンサルタントなど、M&Aを「成約」で終わらせず、持続的な成長につなげたいすべての実務家に必携の1冊。

主要目次

序 章

事業承継から成長戦略へ/中小M&A市場の拡大と背景/外部環境(政策・金融・市場)の変化/PMIが担う社会的役割/「譲渡後に幸せになった会社」とは?

第1章 PMIは“無免許運転”が普通?

なぜPMIは「初めての仕事」になりやすいのか/無免許運転メタファーの意味/沈黙の意味と意思決定の歪み/事例①:無免許運転のPMIはどう進むか/事例②:“先達”と一緒に進めるPMI/国もPMIの重要性を認識している/ガイドラインがあっても失敗は起こる

第2章 PMI推進チームの現場力

PMIに必要な5つのコアスキル/関係構築:まず信じてもらう/文化翻訳:言葉と前提をそろえる/思考整理力:論点を迷子にしない/合意形成力:誤解をほどき、最適解をつくる/不確実対応力・感情処理力:場が荒れたときの舵取り/心理的安全性をどう測るか

第3章 M&A直後の3カ月

 補論【第3章を読み解くための共通言語】

   PMIで求められる「関わり方」のOS

PMIの3つの課題分類/シナジー創出までの3ステップ/最初の1週間/1カ月目/2カ月目/3カ月目/M&A直後の3カ月に潜む「10の分岐点」/KPIとモニタリング/中小PMIガイドラインは、どう使うべきか/分岐点はどこに現れるのか

第4章 企業文化の調律

企業文化の違いで起こる摩擦/文化衝突マトリクス/企業文化を可視化する/融合・尊重・併存・分離/共通の言語・共通の目的地・共通のミッション

第5章 PMIを前に進めるために

PMIで最初に設計すべきもの/権限設計:誰が何を決めるのか/評価制度:戦略を動かすための設計/ルールと形式度:「クリアでクリーン」な組織にする/スピードと精度:前に進め続けるための姿勢

第6章 M&Aビギナーのための現実解

確信のないPMIは「遠回り」になる/外部支援を検討する際のポイント/成功確率を上げるための費用/「経験を補完する」という考え方

終 章 日本型PMIの未来像

1つのM&Aに、2つの景色がある/M&Aを成功に導くPMI/社会課題を解決することへの貢献/日本型PMIはどう進化すべきか/異なる景色を、同じ未来へ

付録Ⅰ PMI指標をどう測るか

付録Ⅱ 中小PMIガイドラインとの対応表

著者略歴

竹林 信幸(たけばやし のぶゆき)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大手生命保険会社、国内外コンサルティング会社を経て、2016年株式会社日本M&Aセンター入社。同年「PMI支援室」の立ち上げに参画し、日本における中堅・中小企業向けPMIの体系構築、PMI局面における取組事項のパッケージ化に尽力。2018年株式会社日本CGパートナーズ(現株式会社日本PMIコンサルティング)の設立に伴い取締役に就任、2020年に代表取締役。中小企業庁「中小PMIガイドライン(仮称)策定小委員会」に委員として参画し、「中小PMIガイドライン(2022年3月)」の策定に携わる。