図説 損害保険流通ビジネス

図説 損害保険流通ビジネス

定価:2,860円(税込)

編・著者名:株式会社トムソンネット[編]岩本 堯/石井 伸夫/川上 洋/森岡 伸彦[著]

発行日:2025年12月26日

判型・体裁・ページ数:A5判・並製・228ページ

ISBNコード:978-4-322-14629-5

書籍紹介

いま、損保はIntegrity(誠実さ・真摯さ・高潔さ)が問われている

◆ビッグモーター事件・保険料調整事案・情報漏洩事案等の一連の不祥事を契機に、損害保険業界は「保険流通のガバナンス」を軸とした抜本的な改革を迫られている。

◆金融庁による有識者会議・金融審議会WGの検討・報告、保険業法や監督指針の見直し、業界ガイドラインや大手4社の業務改善計画など、ルールと実務の両面で進展する変革および最新動向を総覧し、歴史・現状・課題・展望を立体的に整理。

◆代理店・大手損保・企業契約者への取材を通じて現場のリアルを深掘りした「生きた情報」を提示し、信頼回復と持続可能な保険流通の再設計を後押しする一冊。損保会社、代理店の経営者・実務担当者、企業のリスク管理部門、金融機関の営業担当者等必読。

主要目次

第1章 露呈した損害保険ビジネスの構造的課題

吹き荒れたビッグモーター事件/保険料調整事案の発生/両不正事案の根底にある問題点[本業支援、出向、政策株式]/大手損保4社の業務改善計画/公正取引委員会の命令と要請/情報漏洩事案

第2章 損害保険流通ビジネスの起源と多様なモデルヘの発展

海上保険の発展と保険ブローカーの誕生/火災保険の誕生と保険代理店の発足/自動車保険の誕生と通信販売[世界各国の状況、米国で大発展]/米Progressive[会社の沿革と“業界初”の歴史、意表を突く通販戦略]

第3章 わが国における損害保険流通ビジネスの誕生とその歩み

損保市場の始まりから第二次世界大戦まで/規制の枠組みの確立と大衆化路線の始まり/売上第一主義と多種多様な保険販売チャネルの出現/無謀な料率競争と代理店手数料ポイント制度の創出/自由化に翻弄される損害保険流通チャネル

第4章 損害保険流通ビジネスの現状と課題

保険流通を担う「代理店」「仲立人」「直接販売」/損害保険代理店の実態(数、チャネル別規模、取扱保険料)/新たな保険流通形態/専業代理店、損保直資代理店/先進代理店紹介[総合保険代理店ピー・アール・エフ、Live+ リブラス、トヨタカローラ南岩手]/来店型保険代理店、銀行による保険窓販/ディーラー代理店/保険仲立人(日本版保険ブローカー)/保険仲立人になるには/日本のダイレクト自動車保険/「金融サービス仲介業」登録業者倍増/欧米と日本の保険流通チャネルの違い/保険代理店のM&A

第5章 損害保険業等に関する制度等WG報告書

改革の全体像/顧客本位の業務運営の徹底[大規模乗合代理店に対する規制強化、保険金関連業務を兼業する代理店への対応、「特定大規模乗合損害保険代理店」、乗合代理店における比較推奨説明の確保、保険代理店に対する適切な管理・指導等、代理店業務品質第三者評価制度]/健全な競争環境の実現[独占禁止法違反行為の未然防止、保険仲立人の活用促進、保険会社による過度の便宜供与の禁止、企業内代理店に関する規制の再構築、火災保険の赤字構造]/共同保険の新たな組成方式の検討/損害保険市場における各主体への期待/損保協会の信頼回復に向けた取組み

第6章 企業保険市場の課題と今後の方向

マーケット別損保商品と販売チャネル/企業内代理店の特徴と保険会社との関係/目指すべき企業内代理店の姿/先進代理店紹介[三井物産インシュアランス・ホールディングス、東急保険コンサルティング]/日本と欧米 企業保険引受けの違い/保険仲立人との協業/リスクマネジメント[その歴史と意義、その実務]

第7章 デジタル化の進展による損害保険流通の変化

自動車の先進安全技術の進展に伴う影響/巨大プラットフォーマーの台頭と損保流通/組込型保険(エンベデッド保険)/貨物・運送保険の保険流通革命/サイバーリスクの保険流通モデル/自社「代理店システム」の導入[SaaS型システムが本命、プロジェクト実行計画、成功へのポイント]/保険流通ビジネスの最新動向 MGA

第8章 結び 損害保険業界のさらなる発展に向けて

損保業界はどう変わるのか/損保会社インタビュー[損害保険ジャパン、三井住友海上、東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保]/企業物件市場の開拓と新たな損害保険市場創設/損保代理店の役割と社会的地位の向上に向けて/保険契約者の「リスクと保険のリテラシー」向上