キャットボンド活用実務ガイド: 大規模地震に備える新しいリスクマネジメント

キャットボンド活用実務ガイド: 大規模地震に備える新しいリスクマネジメント

定価:2,750円(税込)

編・著者名:山本 伸二[著]

発行日:2025年09月02日

判型・体裁・ページ数:A5・並製・208ページ

ISBNコード:978-4-322-14569-4

書籍紹介

南海トラフ、首都直下、千島・日本海溝……

国難級の大規模地震に

企業はどう立ち向かうのか?

◆キーストーン・アイエルエス・キャピタルが自家保有、保険に代わる第三の選択肢、キャットボンドの実務を完全解説

◆自動車部品メーカーの国内生産拠点がマグニチュード8~9クラスの巨大地震に見舞われたという想定のもと、その財務的影響を数値で例示

◆資本市場を活用するリスク交換により、自然災害リスクの分散を図る新たな対応策を提案

主要目次

1 キャットボンドとは

日本を取り巻く自然災害リスク/キャットボンドとは何か/キャットボンドの仕組みを知る/誰がキャットボンドに投資しているのか/キャットボンドが果たす社会的役割/拡大を続けるキャットボンド市場

2 大規模災害と企業経営への影響

大規模地震が日本経済に与えるインパクト/大規模地震が企業活動に及ぼす影響/大地震が企業財務に与える影響/ケーススタディ:大規模地震の財務影響分析

3 企業ができる災害への備え

リスクファイナンスとは何か/リスク保有型の対策/リスク移転型の対策/まとめ

4 キャットボンドの具体的な仕組み

キャットボンドによるリスク移転/キャットボンドにおける資金フロー/特別目的会社(SPC)の役割と仕組み/発行プログラムの構築と運用方法/支払いトリガーの種類と特徴

5 パラメトリック・キャットボンド導入実務ガイド

地震保険と災害デリバティブの違い/パラメトリック・キャットボンドの特徴/導入時に留意すべきポイント/支払いトリガーをどう設定するか/キャットボンドの発行条件/発行の具体的な流れ(事前準備から実際の発行まで)/災害リスクモデルによる地震リスクの評価/価格決定の仕組み/取引をサポートする外部委託業者の役割/主な契約書類とポイント/キャットボンドの発行形式/SPC設立地の選定/補償期間中および災害発生時の手続/取引コストの全体像/ケーススタディ:キャットボンド手配のプロセス

6 リスク移転のジレンマと解決のための道すじ

日本の災害リスク移転が抱える課題とキャットボンドの役割/企業側の課題:リスク移転導入のハードル/リスク分散を活用した効果的なリスクマネジメント/リスク分散の効果と導入方法/ケーススタディ:キャットボンド市場を活用したリスク分散

7 なぜキャットボンドは投資家に選ばれるのか

キャットボンド投資のリスク特性/低相関性が持つ意味/金利リスク低減効果/社会的責任投資としての評価/流通市場における取引と流動性

8 キャットボンド市場の歴史と近年の動向

キャットボンド市場の歴史と発展経緯/市場構造の10年間の変化

9 国内外のキャットボンド発行事例

国内の保険会社や共済団体によるキャットボンド発行事例/国内事業会社によるキャットボンド発行事例/海外におけるキャットボンド活用事例と動向

10 日本が抱える巨大災害リスクにどのように立ち向かうのか

著者紹介

山本 伸二(やまもと しんじ)

三井住友銀行に入行後、2002年より北米拠点に赴任し、金融商品の投資・開発業務に従事。2007年に帰国し、JPモルガン証券に転職。

2009年からはエーオングループにてキャットボンドの組成業務に携わる。エーオン在籍中には、日本のリスクを対象に発行されたキャットボンドの約75%を主導し、革新的な案件を多数組成。2022年に独立し、キーストーン・アイエルエス・キャピタル株式会社を設立。

キャットボンドおよび保険リンク証券を中心としたリスク移転ソリューションの普及に尽力している。

京都大学大学院 工学研究科修士課程修了(2000年)。