定価:3,850円(税込)
編・著者名:藤木 秀明[著]
発行日:2025年07月18日
判型・体裁・ページ数:A5判・並製・312ページ
ISBNコード:978-4-322-14519-9
指定金融機関は地方公共団体の「メインバンク」なのか?
指定金融機関と地方公共団体の双方にとって望ましい関係とは?
◆指定金融機関制度の沿革・内容・運営実態を整理
◆北海道夕張市の財政危機に際して各金融機関が果たした役割を詳細に追跡
◆地方公共団体と金融機関の関係性(リレーションシップ)が地方債金利にどのような影響を与えているかをデータに基づいて検証
◆地方公共団体と指定金融機関の新たな関係を模索
序 章 指定金融機関を論ずる現代的意義
第1章 指定金融機関とは
1.1 指定金融機関制度の概要
1.2 指定金融機関の指定状況
1.3 指定金融機関の変更
1.4 指定金融機関業務の非効率性
1.5 指定金融機関業務をめぐる金融業界の動向
1.6 小 括
第2章 地方公共団体に対する融資取引
2.1 地方債の枠組み
2.2 地方債の起債方式
2.3 地方債と民間資金
2.4 地方債と信用リスク
2.5 近年の動向
2.6 小 括
第3章 メインバンク理論の概況整理
3.1 メインバンク制度
3.2 与信管理――情報の非対称性とエージェンシー問題の軽減
3.3 貸出技術
3.4 メインバンクモデル(制度)とリレーションシップ・バンキング
3.5 行政・実務におけるリレーションシップ・バンキング
3.6 小 括
第4章 メインバンク理論の地方公共団体取引への応用
4.1 指定金融機関制度とメインバンクの関係
4.2 地方公共団体取引における情報生産と貸出技術
4.3 地方公共団体の危機に対するメインバンクの役割整理
4.4 地方公共団体に対するメインバンク取引の意味
4.5 小 括
第5章 夕張市財政破綻への取引金融機関の対応
5.1 事例研究の概要
5.2 財政破綻の背景
5.3 財政破綻の原因
5.4 指定金融機関等の夕張市に対する支援策
5.5 メインバンクモデル(制度)からみた金融機関支援に対する評価
5.6 小 括
第6章 銀行等引受債の決定要因とリレーションシップに関する分析
6.1 モデル
6.2 分析対象および被説明変数(借入金利)
6.3 説明変数(借り手の信用力、競争度、案件効率性)
6.4 関係性(推定式における説明変数「D」)
6.5 推定結果
6.6 小 括
6.7 残された課題
第7章 指定金融機関の今後
7.1 地域金融機関の経営環境の変化
7.2 地域金融機関が本来求められている役割発揮を行うための公金合理化
7.3 共創のパートナーとしての関係再構築
7.4 関係性の再検討の必要性
藤木 秀明(ふじき ひであき)
日本大学理工学部助教・神戸大学経済経営研究所研究員。
2002年早稲田大学商学部卒、2010年東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻修了、2024年神戸大学経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。
三菱東京銀行(現三菱UFJ銀行)、浜銀総合研究所地域戦略研究部研究員、内閣府(現総務省)官民競争入札等監理委員会事務局上席政策調査員、KDDI総合研究所共創部門コアリサーチャー、東洋大学大学院客員教授等を経て現職。学外では国土交通省PPPサポーター、京都府公民連携プラットフォームアドバイザー、秦野市(神奈川県)公共施設再配置計画(仮称)検討委員会など公民連携(PPP)に関連する公職を歴任。