“シン設計”スプレッドバンキング: 金利、AI、成長がある世界の銀行経営

“シン設計”スプレッドバンキング: 金利、AI、成長がある世界の銀行経営

定価:3,520円(税込)

編・著者名:大久保 豊[著]

発行日:2025年03月31日

判型・体裁・ページ数:A5判・並製・372ページ

ISBNコード:978-4-322-14500-7

書籍紹介

銀行の収益構造が変化するいま、管理会計とALMの新たな運営手法が経営を革新する。

◆リスクを可視化し、制御する

金利リスク・信用リスクを管理会計の視点から明確にし、ALMで制御する具体的手法を解説。

◆組織的にアプローチする

営業店や本部各部門の役割、リターンとリスクの帰属先を明確にし、インセンティブを付与する。効率的な組織体制を構築する術を紹介。

銀行経営の普遍的な要諦を示しながら、環境の変化にあわせて進化を遂げている稀有な書籍であり、転換点に直面する銀行経営の指南書!

※本書「刊行に寄せて」より抜粋

株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役 執行役社長 グループCEO

中島 達氏

主要目次

PARTⅠ 【シン設計】スプレッドバンキング

CHAPTER 1 “時系列分析(1999年→2013年→2023年)”スプレッドバンキング

SECTION 1 すでに“金利がある世界”は到来している――長期金利は1%超えのイールドカーブは2009年水準

SECTION 2 この四半世紀で“大変容している資産・負債構造”

SECTION 3 スプレッドバンキングによる「地方銀行業態」の収益構造変容分析

SECTION 4 “金利がある世界”の銀行収益展望――金利上昇における“レジリエンス”は発揮できるか

CHAPTER 2  “シン設計”スプレッドバンキング――“金利”“AI”“成長”のある世界に適合する銀行経営

SECTION 1 “ALM部門”のシン設計と“総合損益”によるシン経営

SECTION 2 “経営部門”のシン設計――経営意思を反映した意図的なTP運営

SECTION 3 “営業部門”のシン設計――AIとの徹底的な棲み分けとDX

SECTION 4 “融資部門”のシン設計――信用コストプライシングと成長のある世界への革新

SECTION 5 “預金者行動動態モニタリング”のシン設計――流動性リスクへの消化対応

PARTⅡ 【基本設計】スプレッドバンキング

CHAPTER 3 “総点検”による【自己評価】が必要とされる【現行収益管理】

SECTION 1 総点検の「経営視点」

SECTION 2 早急な改革が必要な“意図せざる”本支店レート管理の復活――規制金利時代の遺物である「本支店レート管理」

CHAPTER 4 金利リスク収益管理会計――金利スプレッドバンキング

SECTION 1 金利自由化に適合する「スプレッドバンキング」

SECTION 2 “ベスト・フィット”のための金利リスクTP体系

SECTION 3 市場金利手法――「長短(期間)ミスマッチ金利リスク」の消化酵素

SECTION 4 ベーシススプレッド手法――「ベーシス金利リスク」の消化酵素

SECTION 5 インセンティブ手法――「能動プライシング・リスク」の消化酵素

CHAPTER 5 信用リスク収益管理会計―信用スプレッドバンキング

SECTION 1 「信用リスク収益管理」の基本構造

SECTION 2 信用スプレッドバンキング――信用TPの展開

SECTION 3 「信用TP」のためのパラメータ設定

CHAPTER 6 経費管理会計

SECTION 1 経費実測の方法

SECTION 2 “金利がある世界”において点検すべき経費管理

PARTⅢ 【詳細設計】スプレッドバンキング

CHAPTER 7 “詳細設計”収益リスク管理会計制度――ベスト・フィット・スプレッドバンキング

SECTION 1 「収益リスク管理会計制度」の基本機能と設計コンポーネント

SECTION 2 「収益帰属ユニット」の全規定

SECTION 3 「顧客ユニット」の全規定

SECTION 4 「管理商品ユニット」の全規定

SECTION 5 「TPレート運用」の全規定

SECTION 6 設計上のポイント

SECTION 7 詳細組立て

SECTION 8 “実践”スプレッドバンキング

著者紹介(執筆当時)

大久保 豊(おおくぼ ゆたか)

ForeVision株式会社 代表取締役社長、データ・フォアビジョン株式会社 代表取締役社長、日本リスク・データ・バンク株式会社 代表取締役社長

慶應義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学政治経済学部大学院修了(Master of Philosophy)。

住友銀行(現・三井住友銀行)、マッキンゼー&カンパニー、鎌倉、日本AT&T情報システムを経て、1996年にデータ・フォアビジョン株式会社、2000年に日本リスク・データ・バンク株式会社、2019年にForeVision株式会社を設立し、2024年現在、各社の代表取締役社長を務める。

主な著書は、『【究解】信用リスク管理』(2018年11月)、『人工知能と銀行経営』(2019年11月)ほか多数。