定価:3,300円(税込)
編・著者名:日本弁護士連合会 日弁連中小企業法律支援センター[編]
発行日:2025年03月31日
判型・体裁・ページ数:A5判・並製・276ページ
ISBNコード:978-4-322-14487-1
内容・趣旨を理解し使いこなせる手引書
◆2022年3月に策定・公表された「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の内容を解説するとともに、ガイドラインを具体的に実践するための手引書。
◆ガイドラインを理解し、使いこなせるようになるために、日弁連中小企業法律支援センターの事業再生PTに所属する、中小企業事業再生の最前線で活動している弁護士が執筆。
◆弁護士だけでなく、中小企業の支援に携わる税理士、公認会計士、中小企業診断士等の専門家、関係機関の担当者、金融機関担当者も幅広く活用できる。
「発刊にあたって」より抜粋
当連合会では、「地域の多様性を支える中小企業・小規模事業者の伴走支援に積極的に取り組む宣言」(2023年6月)を採択し、日々奮闘する経営者に寄り添い、中小企業者のフェーズに応じた支援を行っていくことを推進しています。
本書を活用して、より多くの弁護士が、中小GLに基づき中小企業の再生、円滑な廃業の支援を行うとともに、経営者保証ガイドラインを活用した代表者の保証債務整理に取り組むことを期待しています。
2025年2月吉日 日本弁護士連合会 会長 渕上 玲子
序章 中小企業の現状と弁護士の関与
中小企業の置かれている状況/ポストコロナに向けた施策/ポストコロナにおける中小企業への弁護士の関与の姿勢
第1部 活性化パッケージ、活性化パッケージNEXTの概要
第1章 活性化パッケージおよびその他支援策の概要
はじめに/活性化パッケージ作成の背景/活性化パッケージのポイント/活性化パッケージNEXTの概要/「再生支援の総合的対策」
第2章 中小GLの全体像
活性化パッケージとの関係/第一部(ガイドラインの目的)/第二部(中小企業の事業再生等に関する基本的な考え方)/第三部(中小企業の事業再生等のための私的整理手続)
第3章 活性化協議会の全体像
活性化パッケージとの関係/「中小企業活性化協議会実施基本要領」の構成/活性化協議会自身による支援内容(中小企業活性化協議会事業)/民間プレーヤーを活用した支援(経営改善計画策定支援事業)
第2部 平時における弁護士の取組み
第1章 中小GLの記載(総論)
平時における中小企業者と金融機関の対応/経営者保証GLの積極的な活用/資金繰り支援と収益力改善の各支援
第2章 資金繰り支援(各論①)
資金繰り維持の重要性と資金繰り表作成の意義/日繰り資金繰り表/資金繰り表の作成手順ないし項目/(実態把握のための)資金繰り表の確認(資金繰り表の精度の把握)/改訂資金繰り表の作成
第3章 収益力改善(各論②)
民間プレーヤーによる収益力改善の支援と活性化協議会による収益力改善支援/活性化協議会による収益力改善支援/民間プレーヤーによる経営改善計画策定支援
第3部 有事における弁護士の取組み
第1章 中小GL第二部における考え方
有事における中小企業者の取組み/有事の場合における中小企業者の具体的な対応/私的整理検討時の留意点/事業再生計画成立後のフォローアップ
第2章 事業再生の手続メニューおよび手続選択
事業再生の全体像/手続選択/フォローアップ
第3章 廃業(再チャレンジ)の手続メニュー
再チャレンジ支援(廃業支援)の全体像/活性化協議会による再チャレンジ支援/手続選択
第4部 弁護士が支援する事業再生・廃業手続の具体的実務
第1章 中小GL第三部の概要(私的整理手続)
中小GLの手続の特徴/再生型私的整理手続/廃業型手続の流れ
第2章 事業再生の手続の具体的な実務1(自主再建(リスケジュール型))
相談段階(手続選択)/デューデリジェンス(DD)/事業再生計画策定/モニタリング
第3章 事業再生の手続の具体的な実務2(スポンサー再生型(債権放棄型))
スポンサー支援型/相談段階・手続選択段階/金融機関対応/デューデリジェンス(DD)/スポンサー交渉/再生計画策定(経営者保証人の弁済計画含む)/金融機関との交渉/モニタリング
第4章 中小GLを前提とした廃業手続の具体的な実務
相談段階(手続選択)/金融機関との交渉開始/弁済計画の策定(経営者保証人の弁済計画も含む)/中小企業者側のデューデリジェンス(DD)/第三者支援専門家と調査報告/金融機関との協議/弁済計画の成立/弁済計画成立後のモニタリング/会社の清算手続
第5章 その他の廃業型私的整理手続――特別清算・廃業型特定調停
特別清算/特定調停
第6章 準則型私的整理で対応できない場合の対応策の概要
準則型私的整理が困難な類型と理由/民事再生の検討/民事再生が困難な場合の対応/「事業譲渡+破産」の検討/債務者会社の代理人としての留意点