高圧経済とは何か

高圧経済とは何か

定価:2,530円(税込)

編・著者名:原田 泰・飯田 泰之[編著]

発行日:2023年11月29日

判型・体裁・ページ数:A5・並・228ページ

ISBNコード:978-4-322-14370-6

書籍紹介

日本を代表するエコノミストが日本経済の可能性を論じる!

経済を高圧状態にすることは、短期的に人や設備の稼働率を上昇させ、利益を増大させるだけではない。
さまざまな経路を通じて生産性を上昇させることが、長期的な経済の拡大につながる。
そのためには、金融と財政の両面で何をするべきか?

主要目次

第1章 高圧経済論の源流と拡張可能性
明治大学政治経済学部 教授 飯田 泰之
オークン法則と高圧経済論/古典派的成長と成長力の源泉/履歴効果と資本蓄積/結語

第2章 フィリップスカーブとオークン法則から導かれる雇用と生産の拡大
名古屋商科大学ビジネススクール 教授 原田 泰
フィリップスカーブ/オークン法則/結語

第3章 日本経済には持続的円安の高圧経済が望ましい
慶應義塾大学産業研究所 教授 野村 浩二
東京大学 名誉教授、イェール大学 名誉教授 浜田 宏一
日本の価格競争力/低圧経済への移行/デフレ圧力の源泉/低圧経済が招く生産性停滞/高圧経済をどう実現するか/結語

第4章 高圧経済政策が労働市場にもたらした好影響――アベノミクス期の経験から
第一生命経済研究所 主任エコノミスト 星野 卓也
時間当り賃金の上昇と雇用増/転職者賃金の上昇が労働移動を促す/Upward Mobilityを失業の減少としてとらえる/低所得者の賃金改善で格差は縮小/非賃金面における待遇改善効果/結語――高圧経済政策×労働市場流動化の合わせ技が必要

第5章 高圧経済が労働生産性に与える影響――OECD加盟国を中心としたパネルデータ分析
青山学院大学法学部 教授 佐藤 綾野
労働の生産性と流動性指標の国際比較/パネルデータ分析/結語

第6章 設備投資と高圧経済
一般社団法人日本経済団体連合会 主事 鈴木 章弘
基本的な整理と議論の前提/高圧経済と設備投資/資本蓄積と生産性/結語

第7章 高圧経済によってR&D投資増加・生産性向上 創造的合併
大和証券株式会社 常務理事 木野内 栄治
先行研究/R&D投資は好況時に増加/R&D投資はTFPに影響 高圧・低圧経済が電機産業を左右/高圧経済でゾンビ企業は減少、清算ではなく被買収/結語

第8章 高圧経済の実践とその結果――日本の高圧経済局面は高度経済成長期とアベノミクス期の
第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミスト 永濱 利廣
高圧経済の歴史的経験/日本における「履歴効果」の検証/日本が可能な高圧経済の余地/結語

第9章 パンデミック下の積極的なマクロ経済政策の成功
MCPアセット・マネジメント株式会社 チーフストラテジスト 嶋津 洋樹
グローバル景気後退と実体経済/パンデミック下の経済パフォーマンス/高圧経済政策と米国の労働市場/結語