米国コモディティ先物取引の実相: その知られざる設計思想とメカニズム

米国コモディティ先物取引の実相: その知られざる設計思想とメカニズム

定価:2,200円(税込)

編・著者名:安丸 徹[監修]髙田 寛之[著]

発行日:2023年07月26日

判型・体裁・ページ数:A5・並製・204ページ

ISBNコード:978-4-322-14359-1

書籍紹介

人類の生存に欠かせない穀物やエネルギーの価格はどのように決まっているのか?

世界最大の米国コモディティ先物市場のメカニズムを解明!

◆コロナ禍、ウクライナ戦争を契機とする一次産品価格の上昇を受け、穀物・エネルギー等の生産者、輸出入業者、加工品生産業者等が価格変動リスクをヘッジする場である米国コモディティ先物市場に大きな関心が寄せられている

◆日系大手商社の米国現地法人および先物清算ブローカー(クリアリングFCM)の社員という立場から、過去四半世紀以上にわたり米国のコモディティ先物市場で業務に携わってきた経験をもとに、原材料コモディティの調達輸入業務に携わる商社、メーカー等の実務担当者向けにその仕組みを解説する

◆主な内容◆

・日本とはまったく異なるMark-to-Market(日次清算)の概念

・先物取引口座の開設、日々の入出金、ステートメントの見方

・CFTCによるレギュレーション、顧客資産保全の仕組み 等

先物関連用語の英語表現に対訳・簡易説明を付した「米国先物関連用語一覧」付き

主要目次

第1章 食品・エネルギー原材料の調達時に必要不可欠な先物市場でのヘッジ

1 売りヘッジと買いヘッジ――先物市場が他人事ではない理由

2 先物とフォワードとスワップ――それぞれの特性と相違と利点

3 オプションに係る必要知識――入門書が語り足りないポイント

4 商品現物取引を円滑化する相対先物取引――市場外取引の特例

第2章 米国先物口座の開設手順と証拠金の概念および日々の入出金プロセス

1 FCMへの先物口座開設手順――スタート前の意外なハードル

2 証拠金(マージン)の基本概念――先物取引メカニズムの根幹

3 ステートメントの理解とMark-to-Market――日々の清算プロセス

4 原価会計主義との辻褄あわせ――日本に歪曲して持ち込まれた米国先物

第3章 米国先物市場に係る法とレギュレーションの仕組みおよびそのリスク管理

1 高度に規制された米国先物市場――法とルールのポイントとは

2 顧客資産保全のためのメカニズム――清算FCMの破綻シナリオ

3 先物市場参加者の責任と違反の代償――レギュラトリーリスク

米国先物関連用語一覧

コラム

① 取引所ピットの風景

② OTCから進化したベーシス先物

③ 単位のない世界

④ そのまま読まない先物契約コード

⑤ 非清算FCMのオムニバス口座――商社「冬の時代」の屈辱

⑥ シカゴとニューヨークの限月間スプレッド

⑦ 初回受渡し通知日(FND)

⑧ 出来高と取組高――市場流動性と市場規模

⑨ CFTCでのデポジション(証言録取)の記憶

⑩ CFTC建玉明細の仕組みと変遷

⑪ 執行ブローカーへのギブアップ

⑫ アルゴリズムの世界

監修者・著者紹介

安丸 徹(やすまる とおる)

米国みずほ証券先物部門マネジングディレクター。1980年より日米で銀行業務に従事、2009年より現職。CFA。

高田 寛之(たかだ ひろゆき)

1967年北海道生まれ。神奈川大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学バルーク校経営学修士課程(MBA)修了。日米での先物関連企業勤務を経て、2009年より丸紅米国会社。