独立型出資構想と地域金融機関の役割: 地方創生を支える「コア企業」の未来

独立型出資構想と地域金融機関の役割: 地方創生を支える「コア企業」の未来

定価:2,750円(税込)

編・著者名:吉戒 孝/新発田 滋[著]

発行日:2023年05月10日

判型・体裁・ページ数:四六・並・344ページ

ISBNコード:978-4-322-14339-3

書籍紹介

地方中堅企業のニーズに対応する「地域金融機関型投資銀行機能」を提唱!

他社の傘下に入ることなく独立を維持し、創業の地で安定した成長を目指す中堅企業こそ、地方創生の主体を担う「コア企業」である。コア企業が経営課題に取り組むプロセスでは、エクィティを含む多様な資金調達やコンサルティング・アドバイザリーなど投資銀行的な機能が求められる。しかし、その機能を提供できるのは、いわゆる「ザ・投資銀行」ではない。地方中堅企業のニーズに対応できる、あくまでも商業銀行に軸足を置いた地域金融機関のあり方を示す。

主要目次

第1章 地方創生の現状と地域金融機関の役割

地方創生の現状/地域金融機関の役割

第2章 コア企業とは何か――「大企業・中堅企業・小企業」の比較

企業の分類――「大企業・中小企業」「大企業・中堅企業・小企業」/中堅企業の例/分類それぞれの特徴/中堅企業の概要――知名度・業界地位・株主の態様・経営者の態様/コア企業の概要(1)――企業展開・雇用・地域経済/コア企業の概要(2)――財務・資金需要・M&A・経営課題

第3章 コア企業に該当する中堅企業に特有の事情

中堅企業の姿/中堅企業のガバナンス/中堅企業に特有の資本面の課題/中堅企業のリスクマネー/中堅企業のリスクマネー調達/中堅企業の上場/中堅企業の数

第4章 コア企業と地域経済

地域経済がほしい企業、企業分類に沿った地方創生の課題/中堅企業の事業上のニーズ/コア企業が地方に残るには(1)――事業上のニーズへの対応/コア企業が地方に残るには(2)――企業の「独立」の維持

第5章 コア企業と地域金融機関

地域金融機関にとっての中堅企業との取引/業況別の金融機関取引/地域金融機関の中堅企業取引まとめ/M&Aやプライベートエクイティなどの経験/中堅企業取引の意義

第6章 コア企業の「独立」――従来の手法

前章までのまとめ/「コア企業に該当する中堅企業に特有の資本面の課題」の「独立」維持での解決/プライベートエクイティファンド/DebtMBO/中小企業投資育成/上場/銀行の投資専門子会社/従来の手法のまとめ

第7章 コア企業の「独立」――ステークホルダーによる株式長期保有・独立型出資構想

「独立型出資構想」の概要/「独立型出資構想」での出資・株主――企業の姿(1)/「独立型出資構想」での機関設計・役員構成―企業の姿(2)/「独立型出資構想」でのリスクマネー供給――配当水準など/「独立型出資構想」と金融機関の株式保有規制/構想の意義、構想の可否/シミュレーション(1)――標準的な収益力の企業/シミュレーション(2)――利益率低下の意味合い/上場、プライベートエクイティファンド、「独立型出資構想」

第8章 独立型出資構想と金融機関

コア企業の例への適用/金融機関の出資比率・出資額/地域金融機関の観点での「独立型出資構想」

第9章 地域金融機関の役割――地域金融機関型投資銀行業務

コア企業に該当する中堅企業のニーズ/地域金融機関の中堅企業への対応/地域金融機関の中堅企業との取引構想―地域金融機関型投資銀行業務

著者紹介

吉戒 孝(よしかい たかし)

福岡銀行前代表取締役副頭取。

1977年福岡銀行入行、2005年事業再生を所管する事業金融部長などを経て取締役総合企画部長、2011年福岡銀行代表取締役副頭取・ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役副社長。2019年福岡銀行顧問就任(現職)、福岡キャピタルパートナーズ代表取締役会長・金融庁参与。2021年金融審議会委員(現職)。

新発田 滋(しばた しげる)

福岡キャピタルパートナーズ取締役(現職)。

1980年三井銀行入行、企業取引・M&Aアドバイザリー業務などに従事。2002年KPMG FAS入社、執行役員パートナー、事業再生・M&Aアドバイザリー業務などに従事。2019年福岡キャピタルパートナーズ取締役、プライベートエクイティ業務。主な著書に『企業再生型M&Aの進め方』(日本実業出版社)がある。