定価:2,090円(税込)
編・著者名:生越 由美[著]
発行日:2023年03月31日
判型・体裁・ページ数:四六・並・276ページ
ISBNコード:978-4-322-14248-8
日本の地域の組合・中小企業もグローバル・ビジネスに参入しよう!
欧州では地域産物の知的財産権=地理的表示(GI)を活用!
ワイン、ハム、チーズ、野菜、果物、肉、魚、加工品…
欧州では地域名称を冠したGI産品の価格は通常産品の約2倍。
某ハムの売上高は3兆円。GI活用の経済効果が顕れている。
風評被害対策、地域再生のツールでもある。
本書はGIを歴史から繙き、欧州の豊富な先例を紹介し、ビジネスを成功させるためのブランディング&マーケティング戦略を解説。
GIビジネスを成功させるためのGIチェックリストとは。
世界各地の「シャンパン名称」を次々と排除する組合の闘いとは。
欧州が工芸品・工業製品もGIブランド化する意図とは。
GIセクションを一つに、「役所の壁を壊そう」と筆者は提言。
読者対象は、官公庁、金融機関、商社、食品産業、自治体、農林水産業関係者・組合、知的財産/観光/地域経済専攻の学生、一般社会人。
序 章 地名は財産
1 社会の変化と地域資源
2 地名は財産
第1章 地理的表示保護制度(GI制度)─EUの戦略
1 750億ユーロ(約11兆円)のEUの宝物
2 地理的表示保護制度(GI制度)の概要
3 ブランドを育てたパリ万博
4 「ワインの原産地を保護する法律」の制定
5 GIは知的財産
6 GI制度の採用国の拡大
第2章 GIを活かした販売戦略
1 GI取得は販売戦略の第一歩
2 販売戦略の基礎知識
3 GIチェックリスト(GICL)
第3章 欧州のGI制度と事例研究
1 EUの理事会規則
2 EUのGI制度
3 EUが抱える悩み
4 事例研究
パルマハム/シャンパーニュ/ハモン・セラーノ/ボルドーワイン
第4章 日本のGI制度と事例研究
1 攻めの農政
2 日本のGI制度
3 GIを取り巻く法制度
4 事例研究
神戸ビーフ/十勝川西長いも/鹿児島の壺造り黒酢
第5章 中国、北米、オーストラリアのGI産品と歴史、販売戦略
1 中国のGI制度と「一帯一路」
2 北米、オーストラリアのGI制度
第6章 まとめ
1 GIはお薦めのビジネスツール
2 ウェブサイトを作りながら戦略を立てよう
[巻末資料] GI保護制度登録産品一覧/GIviewに掲載されている日本GI/国が指定した伝統的工芸品240品目
生越 由美(おごせ・ゆみ)
東京理科大学大学院教授 1959年生まれ。1982年東京理科大学薬学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)特許庁入庁。2003年10月、政策研究大学院大学助教授。2005年4月より現職。知的財産戦略本部 コンテンツ・日本ブランド専門調査会委員、内閣府総合科学技術会議産学官連携功労者表彰選考委員、農林水産技術会議専門委員、総務省独立行政法人評価委員会 情報通信・宇宙開発分科会などを歴任。2008年にNHK『クローズアップ現代』に出演、2008年4月~2013年9月、放送大学客員教授。(財)機械産業記念事業団第1回知的財産学術奨励賞(日本知財学会特別賞)受賞。情報セキュリティ大学院大学客員教授、弁理士。専門は、知財政策、知財戦略、地域資源と文化、先端技術と伝統技術など。著書は、『社会と知的財産』(放送大学教材、共著;放送大学教育振興会、2008年)、『デジタル時代の知的資産マネジメント』(共著;白桃書房、2008年)など多数。