極私的証券化論3.0: 事業の守護神としての資本市場の創生

極私的証券化論3.0: 事業の守護神としての資本市場の創生

定価:1,760円(税込)

編・著者名:髙田 裕之[著]

発行日:2023年03月28日

判型・体裁・ページ数:四六・並・232ページ

ISBNコード:978-4-322-14229-7

書籍紹介

証券化とは、事業用資産に固定された資本を解放し、

再び事業のために高速回転させる技術である!

野村證券による日本企業の海外発行ワラント債のリパッケージ、オリンピア&ヨーク社が開発した米ワールド・ファイナンシャル・センター・タワーBの証券化と同社の破綻、マイカルの店舗不動産証券化と同社の破綻、西友の店舗不動産証券化とウォールマートによる同社の買収、さくら野百貨店の店舗不動産証券化、2000年代における外資系金融機関のCMBSファクトリー……

「日本の不動産証券化のトップランナーが、生き証人として、揺籃期から紆余曲折を経て現在にいたるビジネスの現場を理論的かつ実践的に語っている。実務者は理論と過去の経験を学ぶべきだが、両方を同時に学べる文献は少なく、その意味で本書はたいへん貴重だと思う」(元東京スター銀行頭取 佐藤誠治)

主要目次

第1章 証券化とは何か

1 証券化取引の定義

2 投資銀行のビジネスモデルと証券化

3 総資本回転モデルのその後

第2章 財務開示戦略としての証券化

1 政策保有株のリパッケージ―マックスター案件

2 倒産隔離の威力―マイカル本体への救済融資

3 オリンピア・アンド・ヨーク社のチャプターイレブン

第3章 事業革新としての証券化

1 GMS業界が抱えていた課題

2 店舗資産をどのようにファイナンスするか

3 マイカル店舗の証券化前史

4 マイカル店舗の証券化の設計

5 ファイナンスリース判定基準と店舗修繕負担の帰属

6 賃料と解約不能期間のゲーム均衡解

7 負債・資本コストに連動した賃料更改のインセンティブ効果

8 店舗ポートフォリオによるリスク分散

9 店舗不動産の価値を維持するための工夫

10 会計上のオフバランス化

第4章 救済金融としての証券化

1 西友の店舗証券化

2 救済金融は正当なビジネスとして成立するか

3 ダックビブレの店舗証券化

4 民事再生手続外での店舗基盤の確立

5 真正譲渡を巡る論争(上)

6 真正譲渡を巡る論争(下)

第5章 さくら野物語―現在地からさくら野百貨店民事再生終了前後をみる

1 生まれ変われるか。さくら野百貨店弘前店の挑戦

2 再生計画終了前倒しのための不動産証券化とその背景

3 民事再生終了後の3店舗

第6章 不動産証券化の未来へ

1 事業からの不動産(所有)の分離

2 Jリート市場に関する私見

3 これからの不動産証券化

4 道慈キャピタルは何を目指しているのか

著者紹介

髙田 裕之(たかだ ひろゆき)

1960年、熊本県熊本市生まれ。東京大学法学部卒業。13年間の野村證券勤務のあと、クレディスイスで不動産金融部門責任者を通算13年超にわたって担当。シンガポール生活を経て2015年に道慈キャピタル株式会社を設立し、2017年に日本に帰国後、同社代表に就任して現在にいたる。

道慈キャピタル株式会社

2015年、資本を渇望するプロジェクトや事業主体に必要な資本を供給する最良のツールとしての不動産証券化商品を開発、提供することを使命として誕生。事業会社、とくに中堅規模の事業会社の問題を解決することを目指している。2023年現在、さくら野百貨店の店舗不動産、銀座の商業ビル底地などのアセットマネジメントを手掛け、預り資産は約100億円に成長。