定価:3,190円(税込)
編・著者名:吉高 まり[著]
発行日:2023年11月14日
判型・体裁・ページ数:A5・並・280ページ
ISBNコード:978-4-322-14197-9
脳科学者
茂木 健一郎 氏
推薦
吉高さんは、勇気と愛に満ちたパイオニア。
経済の力で人類の未来を守るために、私たちにできること。
精緻な分析が展開される必読の「教科書」です。
カーボンニュートラル社会実現に向けた処方箋
民間金融機関でただ一人COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)に15年以上参加し、日本の排出権ビジネスの草分け的存在である著者が、なぜ金融機関が気候変動問題、グリーンビジネスに動くのかを読み解く。サステナブルに関して、日本には大きなポテンシャルがある。これから金融機関がとるべきアクションとは?
Chapter1 気候変動問題と企業を取り巻く環境変化
1 気候変動問題と国際交渉
2 企業を取り巻く気候変動問題の環境変化
Chapter2 金融機関と企業を取り巻く気候変動政策の動向
1 金融機関と環境金融
2 金融機関と気候変動問題
3 金融機関が気候変動問題に取り組むに際して直面する困難
Chapter3 カーボンプライシング
1 カーボンプライシングの種類と意義
2 英国における排出量取引制度(UK ETS)
3 EUにおける排出量取引制度(EU ETS)
4 米国における排出量取引制度
5 東アジアにおける排出量取引
Chapter4 カーボンクレジット・オフセット
1 排出権取引とプロジェクト・ベースのカーボンクレジット取引
2 クリーン開発メカニズム(CDM)の主な参加者
3 クリーン開発メカニズム(CDM)の仕組み
4 カーボンクレジット市場の参加関係者の経年動向
5 カーボンクレジット市場における金融機関の存在
Chapter5 グリーンボンド(ESG債)と金融機関
1 低炭素技術導入事業の経済性の改善
2 グリーンボンド市場の成長
3 グリーンボンドの特徴
4 グリーンボンド市場の参加者
5 グリーンボンドのプレミアム
Chapter6 金融機関が気候変動問題になぜ動いたのか
1 金融機関による気候変動関連市場への関与
2 炭素税導入に際して欧州で採用されたバンドリング
3 金融機関の気候変動関連市場関与の動機を理解するためのフレームワークの構築
4 カーボンクレジット市場における民間金融機関の参加動機
5 グリーンボンド市場における民間金融機関の参加動機
Chapter7 金融機関は気候変動問題にどう動くべきか
1 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の動き
2 サステナブルファイナンスの動き
3 金融機関の監督における気候関連リスク管理の考慮
4 金融機関が気候変動問題に対してできること
吉高 まり(Yoshitaka Mari)
IT企業、米国投資銀行などで勤務後、2000年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。国内外で長年にわたり環境金融コンサルティング業務に従事。環境省、経済産業省、金融庁等の審議会等委員を務めるとともに、サステナブル経営やファイナンスの領域で多様なセクターに対しアドバイス等を提供。三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券兼務。一般社団法人バーチュデザイン代表理事。米国ミシガン大学環境・サステナビリティ大学院科学修士、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士(学術)。2009年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師。2022年より東京大学教養学部客員教授。