中小企業再生のための財務デューディリジェンスの実務

書籍紹介

中小企業再生に欠かせない「財務DD」のすべて

数多くの調査報告書作成・検証に関与した第三者支援専門家の手による、初めての本格的実務書。

事業再生等ガイドライン（中小企業版私的整理ガイドライン）／活性化協議会／スポンサー型案件にも対応。

中小企業の事業再生に不可欠な「財務DD」に臨む心得、具体的な作成の方法や着眼点を網羅。

弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士などの支援専門家はもちろん、金融機関、ファンド、信用保証協会など、中小企業の再生に携わるすべての関係者に。

本書の主な内容

第１章　財務DDの基礎知識

事業再生において財務DDが行われる目的／財務DDの読者／「７つの指標」とは何か／企業グループのDD／海外現地法人のDD／資金繰り見通しの把握　ほか

第２章　DDのスケジュール管理

DDのスケジュール管理の重要性／事前準備／キックオフ／資料依頼／分析・調査・レポーティング／ドラフト協議／バンクミーティング　ほか

第３章　DDの実施

DDのレベル感と対象企業の管理体制のレベル感／実態BSにおける評価の考え方――保全資産評価、その他資産・負債の評価　ほか

第４章　売掛金、棚卸資産および簿外債務

財務DDの個別手続に臨む姿勢／売掛金の調査／棚卸資産の調査／簿外債務の調査　ほか

第５章　借入金明細表・保全表の作り方

借入金明細表に必要な情報／保全表に必要な情報――不動産担保割付・不動産担保割付の以外　ほか

第６章　窮境原因と除去可能性

記載する理由／協議会実施要領との関係／窮境原因・除去可能性として記載すべき事項／内部要因・外部要因／事業計画立案上の課題／財務DDにおける窮境原因の把握手法／窮境原因および除去可能性の具体的記載例／事業計画立案上の課題の具体的記載例  ほか

第７章　清算BSの必要性と留意点

清算BS作成の必要性／清算BSの基準日／法的整理と私的整理における「非保全」概念の差異とその背景／経済合理性比較における物差し（配当率）調整の必要性／法人所有担保資産（別除権）および個人所有・第三者所有担保資産の取扱い　ほか

第８章　スポンサー案件における計画立案上の留意点

スポンサー型再生案件の類型／スポンサーに移管されたあとの事業に係る事業計画等の徴求の可否／スポンサー型再生案件における金融支援の合理性（相当性）を検討するにあたっての物差し／スポンサー型再生案件と数値基準との関係／対象案件に係る譲渡対価レンジおよび保全・非保全弁済可能額の推計／スポンサー型再生案件の数値計画フローと計画段階における留意点／数値計画と金融支援案（数値部分）の整合性　ほか

第９章　［座談会］DDに臨む専門家の意義と姿勢

大きな粉飾と再生可能性／DDが目指すべき理想型／DDに求められる水準／調査対象（スコープ）の上手な絞り込み方／専門家の矜持　ほか

資料　財務DDチェックリスト

レポート全体／会計方針／貸借対照表／損益計算書／キャッシュ・フロー関連の調査／税務関連の調査

コラム

財務DDスケジュールの工夫／バンクミーティングを活用せよ／隠れたキープレイヤー？／経営者への質問からみえるもの／経営者に苦言を呈することができるのは／不動産以外の担保設定の有無の確認方法／信用金庫等の出資金は保全扱いか／税金・社会保険料の滞納／回収状況の確認／棚卸資産の集計精度に大きな懸念がある場合の対応／職業的専門家の正当な注意と窮境原因の記載