個人金融資産2000兆円 山は動くか

個人金融資産2000兆円 山は動くか

定価:1,980円(税込)

編・著者名:[著]高田 創

発行日:2022年05月11日

判型・体裁・ページ数:A5・並製・216ページ

ISBNコード:978-4-322-14156-6

書籍紹介

2022年は資産運用元年!

トラウマを乗り越え「貯蓄から投資」を実現する最後のチャンス

金融のあり方を「波平さんモデル」から「人生100年モデル」に――

 

バブル崩壊後、四半世紀近く続いた円高・株安の「雪の時代」に負った資産運用の傷は「雪解け」とともに癒えつつある。銀行に預金をしておけば資産形成ができた時代は終わった。預貯金一本足打法から転換し、お金に働いてもらう必要がある。資産運用の重要性を理解し、「腹落ち」させるための1冊。

主要目次

第1章 2022年は資産運用元年

貯金箱が象徴する戦後の金融教育/個人金融資産は2000兆円の大台に/「人生ゲーム」と「モノポリー」 ほか

第2章 株式運用トラウママップ――根深いネガティブマインド

資産運用におけるトラウマの存在/トラウマがほとんどない米国個人投資家/不動産価値の消失は「第二の敗戦」の規模/株や不動産を国富と見るカルチャーの醸成を ほか

第3章 円高トラウマ――日本人はなぜ外貨で資産形成をしなかったのか

日本人のホームカントリーバイアスの強さ/「だるまさんが転んだ」の状況が生んだ円高トラウマ/「為替版トラウママップ」に見る円高トラウマ ほか

第4章 マクロ経済政策の課題は何か――アベノミクスと「雪の時代」の転換

アベノミクスから9年、雪は解けた/問題の本質は日本市場の株式保有構造/米国の高圧経済の教訓/資産価格底上げは「いつか来た道」となるか ほか

第5章 世代間ギャップ――資産運用における「40歳の崖」とは

トラウマ世代・氷河期世代 VS 雪解け世代・アベノミクス世代/「人生の見える化」と年金の重要性/ゴールベースアプローチによる資産管理 ほか

第6章 金融機関――銀行天動説から「脱銀行」モデルに

渋沢栄一が描いた銀行像/銀行のリスク転換モデル/銀行の「預金ファーストモデル」/リスクブラックホールに陥った銀行/持合解消と「貯蓄から投資」はコインの表裏/資産運用業の位置付け向上を ほか

第7章 資産運用――家計、企業、金融機関は投資家モデルに

「波平さんモデル」から「人生100年モデル」へ/成人式に加えて「高齢式」を/必要な「かかりつけ金融機関」/企業が投資家的になる「シンザイテク」も/「金利水没」で運用の常識が通用しない時代に ほか

第8章 金融教育――「貯金・節約こそが美徳」から次のステージへ

高校での金融教育スタートの意義/家計も「脱銀行」に踏み出せ/「広島カープモデル」の拡大を/分配重視政策の是非/若者が望むのは成長・雇用/プロビジネスで成長戦略への対応を ほか

第9章 結語―日本自体が投資家モデルに

貿易立国から投資立国への転換/2000年代半ばまではマネーフローは「逆ザヤ」状態/2010年代に入り投資行動が大きく転換/総合商社的センスで国際分散投資を/資産運用を通じた日本の戦略転換を/2022年は資産運用元年に ほか

著者紹介

高田 創(たかた・はじめ)

1958年生まれ。1982年3月東京大学経済学部を卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。1986年オックスフォード大学開発経済学修士課程を修了。みずほ証券市場調査本部統括部長、グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長などを経て、2019年みずほ総合研究所副理事長。2020年岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長に就任。

『銀行の戦略転換』東洋経済新報社(共著)、『これだけは知っておきたい国際金融』金融財政事情研究会、『2020年消える金融』日本経済新聞出版社(共著)、『シナリオ分析異次元緩和脱出―出口戦略のシミュレーション』日本経済新聞出版社(編著)、『地銀 構造不況からの脱出―「脱銀行」への道筋』きんざい など著書多数。