事例からみた地域金融機関の信用リスク管理-営業現場における健全な融資判断-改訂版

事例からみた地域金融機関の信用リスク管理-営業現場における健全な融資判断-改訂版

定価:2,970円(税込)

編・著者名:石川 清英[著]

発行日:2022年03月30日

判型・体裁・ページ数:A5・並製・276ページ

ISBNコード:978-4-322-14140-5

書籍紹介

いま再び、地域金融機関の信用リスク管理のあり方が問われる!

 本書は、好評を博した同書の改訂版である。おもに信用金庫の破綻に関して、過去の事例分析を行い、その信用リスク管理の問題点を整理している。著者は、当事者として金融機関の破綻に立ち会った経験をもつ。当事者ならではの分析には、類書にない説得力がある。

 折しも日本は、長引くコロナ禍のなかにある。地域金融機関は地元企業の存続のため、かつてない規模で事業継続融資を行っている。超緩和的な金融政策が継続し、資金余剰と低金利下で不動産バブルらしきものが発生しているように見受けられる。

 このような環境下、本書のテーマである地域金融機関の信用リスク管理のあり方が、ますます重要になりつつあるといえよう。いままさに営業店の融資担当・審査担当に読んでもらいたい書である。

主要目次

第1章 事例に学ぶ信用リスク管理の問題

金融機関破綻の概要/F信用金庫の事例/S信用金庫の事例/N信用金庫の事例/H銀行の事例/N銀行およびU信用組合の事例/地域金融機関破綻の歴史的事例

第2章 破綻金融機関にみられる共通の問題

破綻金融機関の経営体質/破綻金融機関の経営行動

第3章 金融庁の検査指摘事例にみる信用リスク管理の問題

指摘事例の概要/信用格付の不備に関する指摘/与信集中に関する指摘/審査管理に関する指摘/信用リスク計測手法の検証項目に関する指摘

第4章 信用リスク管理の概要

リスクとリスクマネジメント/金融機関のリスクマネジメント/信用リスク管理手法の発展/信用リスクの測定/信用格付/管理会計と貸出プライシング

第5章 信用リスク管理と経営改善に向けての対処

ガバナンスの強化/融資行動のあり方/信用リスク管理手法の方向性と管理会計/その他のリスク

第6章 現場における融資判断

判断とは何か/ヒューリスティクス/事例による判断トレーニング(1)/事例による判断トレーニング(2)

著者紹介

石川 清英(いしかわ・きよひで)

1954年京都市生まれ。1978年横浜市立大学文理学部卒業、2011年滋賀大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。1978年伏見信用金庫(現京都中央信用金庫)入庫。2001年退職。関西さわやか銀行(現関西みらい銀行)、㈱ABM(現フューチャー㈱)を経て、2007年大阪信用金庫入庫。執行役員・事務管理部長、同・融資部第一部長、同・管理部長。現在管理部勤務。

2020年4月より滋賀大学経済経営研究所客員研究員。現在、大阪府立大学大学院経済学研究科、龍谷大学大学院経営学研究科、滋賀大学経済学部、神戸学院大学法学部、倉敷芸術科学大学危機管理学部非常勤講師。

博士(経営学)、CIA(公認内部監査人)。

2017年9月日本リスクマネジメント学会「優秀著作賞」受賞。