定価:1,980円(税込)
編・著者名:小島 明子[著]
発行日:2022年03月01日
判型・体裁・ページ数:四六 並製 縦型・236ページ
ISBNコード:978-4-322-14010-1
都市部大企業に勤めるサラリーマンへの大規模な意識調査の結果から中高年の働き方を考える
◆都市部大企業に勤める高学歴中高年男性の意識調査からみえてくる「中高年男性の仕事観」と「55歳の再就職活動の現実」。変化を余儀なくされる社会のなかで、70歳まで働ける企業や社会のあり方とは。
◆役職を降りた後の「会社に尽くそうとする意欲」、新卒就活時点と現時点での労働価値観の変化、どのような地域に住み、家庭で家事をどのくらい分担しているのか、趣味はあるのか、友人はいるのかなど、中高年男性の会社員としての姿と家庭での顔がみえてくる多面的な調査データを豊富に掲載。
◆公的機関による再就職活動のサポート内容や定年後のキャリア転換例を詳述。各機関への取材によりみえてきた企業から求められる中高年人材像とは。
◆企業が取り組むべき施策、日本社会が今後向き合うべき課題も提示する。
第1章 中高年男性を取り巻く働き方の現状
変化を余儀なくされる産業構造のなかで中高年世代は仕事を得ることができるか/なぜ、中高年男性の働き方に対する企業の関心が高まっているのか/コロナ以前から大企業では早期退職を促していた/コロナ以降、急速な働き方改革に戸惑う中高年男性
第2章 中高年男性をめぐる働き方の課題
現代にあわない定年制度がもたらす働き方の課題/役職定年がもたらす士気減退のインパクト/中高年男性と若手の「共存共栄」のむずかしさ/意欲の高い高学歴中高年男性が抱えるジレンマ/[コラム]高学歴中高年男性のホンネ/長生きで直面するお金の問題/[コラム]高学歴中高年男性の健康意識/日本の中高年男性が抱える孤独のリスク/[コラム]中高年男性の学歴と幸福度
第3章 中高年男性は自らの幸福のために何を始める「べき」か
中高年男性のためのキャリア論/年齢を重ねるほど必要なのは「しなやかさ」/[インタビュー]社会人材コミュニケーションズ 代表取締役CEO社長 宮島忠文氏/副業・兼業という制度を「活かす」ために/[コラム]ビジネス職で副業・兼業がむずかしい人の特徴と対策/キャリアを転換できた人から学べること/55歳からの再就職活動の実態/大企業出身者にも人気のマンション管理員とは/介護職としてセカンドキャリアをスタート/シニア層の起業の現実/ボランティア活動をセカンドキャリアに/見た目の変化で気持ちに変化をもたらす/定年後のお金の心配の解消法/[コラム]料理初心者の男性がもつ8つの特徴
第4章 企業が中高年男性を活かすための方法論
中高年男性こそ手厚くすべきキャリア形成支援/定年後も生涯現役の人材をつくる仕組み/70歳定年を希望する中高年男性を雇用し続けるために/[コラム]2006年に70歳定年を導入した未来工業/副業・兼業解禁は中高年男性に何をもたらすのか/在籍型出向を通じた異業種、異職種への挑戦/全世代が働きやすい「プロジェクト型の働き方」を目指す/優秀な中高年を活かすフリーランスとしての働き方の提示
第5章 中高年男性の活躍推進を通じた日本社会の活性化
ガラスの地下室に閉じ込められた中高年男性の解放/キャリアにもかかりつけ医が必要な時代の到来/異業種、異職種への転換を促すために必要な投資/人手不足業種・業界の活性化を担う存在に/顧客起点から社会的課題起点へ/ミドル・シニア人材仲介機能としての存在感を増す地域金融機関/中高年女性、氷河期人材への対策も急務/従業員が主体的に選べる定年選択制の導入/未来に残したい中高年男性の働き方
小島 明子(こじま あきこ)
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター スペシャリスト
IESS客員主任研究員。ESG企業評価の一環として行っている働き方や女性活躍に取り組む企業に対する診断業務、中高年男性および女性、氷河期人材の働き方に関する調査研究、企業のESGの取組みと人材確保力に関する実証分析等の調査研究に従事。著書に『女性発の働き方改革で男性も変わる、企業も変わる』(経営書院)、『「わたし」のための金融リテラシー』(金融財政事情研究会・共著)等。