AI審査モデルの基礎知識 モデルのしくみと信用リスク管理

AI審査モデルの基礎知識 モデルのしくみと信用リスク管理

定価:3,080円(税込)

編・著者名:尾木 研三(著)

発行日:2022年05月23日

判型・体裁・ページ数:A5判・並製・244ページ

ISBNコード:978-4-322-13998-3

書籍紹介

FinTech時代を生き抜くための必読書
AI(人工知能)は人間に取って代わってしまうのか
新時代の信用リスク管理に必要な知識とは
「文系でも分かる」AI審査モデルの新しい入門書

早稲田大学ビジネススクール教授

竹原  均 氏  推薦!

「AI審査モデルの実力を正しく知ることができる。金融機関はもちろん、フィンテックの実務家にも必須の書」

■慶應義塾大学理工学部教授

枇々木 規雄 氏  推薦!

「信用リスク管理の基本的な知識と実務への応用力が養える。学生にとってもわかりやすい良書」

執筆者プロフィール

尾木 研三 (専修大学 商学部 准教授)
1988年国民金融公庫(現:日本政策金融公庫)入庫。総合研究所、総合企画部などを経て、2008年からリスク管理部でモデル開発に従事。19年リスク管理部副部長、22年より現職。12年早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(ファイナンス修士(MBA))、17年慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了(博士(工学))。主な著書に「スコアリングモデルの基礎知識」(金融財政事情研究会)がある。

本書の主な内容

PART.1 中小企業融資におけるAI審査モデルの活用法

1.1 AIスコアレンディングの概要

AIとは何か/AI審査モデルの種類/AI審査モデルの歴史と評価/AIスコアレンディングのスキーム/課題はデータのデジタル化

1.2 AI審査モデルの特徴

ホワイトボックス型とブラックボックス型/ブラックボックス型が使用する主な情報源/ブラックボックス型が使用する具体的な情報/ホワイトボックス型の限界

1.3 AIスコアレンディングの現状と課題

国内外の現状/精度向上の課題はデータの質と量/技術的課題と専門人材の育成

1.4 活用の留意点

融資業務におけるモデル活用の方向性/スコアリング融資失敗の要因/失敗から学ぶ

1.5 AI審査モデルの活用方法

審査の前後工程での活用/審査での活用/部分自動審査に向けた段階的活用

PART.2 AI審査モデルのしくみ

2.1 モデルの構造

デフォルト確率算出のしくみ/線形回帰モデル/ロジスティック回帰モデル/ランダムフォレスト、勾配ブースティング/ディープラーニング(深層学習)

2.2 モデル構築のプロセス

変数候補の選択/データ収集とデータクリーニング/変数候補の絞り込み/モデル構築/信用格付けの決定

2.3 モデルの評価・検証方法

序列性の検証(AR値)/PDの一致性の検証/インサンプルテストとアウトオブサンプルテスト/正解率、適合率、再現率、F値/複数モデルの比較検証

2.4 モデルで評価できること、できないこと

モデルで評価できること/モデルで評価できないこと/統計上の留意点

PART.3 AI審査モデルを使った信用リスク管理

3.1 銀行の信用リスク管理の概要

信用リスクとは何か/二つの信用リスク管理手法/信用リスク管理の対象と管理のポイント

3.2 近代的個別与信管理

個別与信管理の概要/EAD・PD・LGDの計測/個別企業のリスクコントロール

3.3 与信ポートフォリオ管理①―EL管理

ELとUL/ELの計算方法と留意点/ELのマネジメント

3.4 与信ポートフォリオ管理②―UL管理

ULの計算方法と留意点/ULのマネジメント/与信ポートフォリオ管理の実務と課題

PART.4 AI審査モデルの最新技術

4.1 ブラックボックス型AI審査モデル

使用したデータの概要/モデルのタイプと評価方法/ブラックボックス型モデルの効用

4.2 経営者の資質を評価する技術

使用したデータの概要/人的変数を関数近似したロジスティック回帰モデルの構築/ブラックボックス型モデルの構築/ホワイトボックス型とブラックボックス型の精度比較

4.3 景気変動を考慮する技術

景気変動がモデルの精度に与える影響/景気変動を考慮する方法/景気変動を考慮したモデルの精度

4.4 デフォルト後の回収率を推計するAIモデル

デフォルト確率と回収率の違い/回収率モデルのしくみ/回収率モデルの精度

【Memo】

ziの意味/損失関数と機械学習/デフォルトの定義/オーバーフィッティング(過学習)/教師あり学習と教師なし学習/Feature Importance/ニューロンの算出方法/相関係数/多重共線性(マルチコ)/スコアから一次格付けを決める方法/格付け推移(遷移)行列/データの質とモデルの精度/ブライアスコア/大数の法則/モデルで算出したPDを使用しない背景/自己資本管理の留意点/発生確率の計算方法/リスクウェイト関数/VaRの問題点─期待ショートフォール/マートンの1ファクターモデル/回収率の推計が難しい理由/デフォルトの定義と回収率の関係

参考文献