銀行買収―米系投資ファンドによる韓国大手行の買収と再生の内幕

銀行買収―米系投資ファンドによる韓国大手行の買収と再生の内幕

定価:3,278円(税込)

編・著者名:ウェイジャン・シャン[著]/木下 信行[訳]

発行日:2022年01月26日

判型・体裁・ページ数:A5・並製・392ページ

ISBNコード:978-4-322-13840-5

書籍紹介

「破綻銀行を外国投資家に売却せよ」

1997年11月、外貨返済に行き詰った韓国政府はIMFと世界銀行に支援を依頼し、12月に史上最大580億ドルの救済融資に合意した。しかし、救済融資の実行にあたっては破綻した二つの大手銀行、韓国第一銀行とソウル銀行の外国投資家への売却が条件とされていた。この物語は、ある米系投資ファンドが韓国政府との厳しい交渉の末に韓国第一銀行を買収し、収益性を回復させて投下資本の回収に成功するまでの一部始終を取引責任者自身が赤裸々に明かした記録である。

主要目次

第1章 マネーを巡る話─私のプライベート・エクイティへの道

第2章 プロジェクト・セーフ

第3章 ホワイトナイト

第4章 新顔の登場

第5章 迫り来る期限

第6章 大  使

第7章 大統領の訪問

第8章 委員長による交渉

第9章 デウ危機

第10章 黒い雨

第11章 最後通牒

第12章 署名するか、やめてしまうか

著者紹介

ウェイジャン・シャン(単偉建)

1953年、山東省生まれ。小学校卒業後、正式な中等教育を受けないまま、ゴビ砂漠での農業労働に従事した後、北京対外貿易学院(現在、対外経済貿易大学)で英語を学ぶ。同学院で教員を務め、サンフランシスコ大学で経営学修士(MBA)、カリフォルニア大学バークレー校で修士(MA)と博士(PhD)を取得。ペンシルバニア大学ウォートン校教授、JPモルガンのマネージング・ディレクターを歴任し、サンフランシスコを本拠とするプライベート・エクイティ会社TPGのパートナー、かつTPGアジア(旧名ニューブリッジ・キャピタル)の共同マネージング・パートナーを務め、韓国第一銀行と深圳発展銀行の買収などいくつもの記念碑的な取引を主導的に手掛けた。この二つの取引は投資家に何十億ドルもの利益をもたらし、ハーバード・ビジネススクールのケーススタディにも取り上げられた。現在、プライベート・エクイティ会社PAGの会長兼最高経営責任者(CEO)。