IFAとは何者か―アドバイザーとプラットフォーマーのすべて

IFAとは何者か―アドバイザーとプラットフォーマーのすべて

定価:2,530円(税込)

編・著者名:大原 啓一/沼田 優子/野尻 哲史[著]

発行日:2020年12月10日

判型・体裁・ページ数:A5・並・236ページ

ISBNコード:978-4-322-13833-7

書籍紹介

いま話題のIFAがまるわかり、比類なき1冊!

◆今後の日本のモデルとなる英国・米国の歴史と現状を詳細に解説。各章のテーマで1冊の本ができてしまうほどの盛りだくさんな内容。
◆アドバイザー(IFA)が活躍するためには、顧客情報管理ほか、コンプライアンスなどを包括的に引き受けるプラットフォーマーの存在が不可欠であることを指摘。
◆アドバイザーに必要な資質・資格や取り扱うことのできる商品・サービス、経営実態、各国特有の課題など、さらには利用可能なプラットフォーマーの実態を豊富なデータとともにわかりやすく解説。現状で考えられる「すべて」に対応!!

主要目次

第1章 鼎  談
アドバイザーとプラットフォーマーの“いま”と“これから”
IFAを支えるプラットフォーマーにあるべき機能とは/「販・販分離」と手数料(報酬)問題/報酬とコストの見える化が鍵/IFAのI(独立)と所属制との整合性/金融サービス仲介業とIFAのビジネスモデル/日本のプラットフォーマーがこれから向かう先/IFAの本当の役割とは
第2章 米国のアドバイザー
1 米国独立系アドバイザーの位置づけ
米国独立系アドバイザー経済圏/独立系アドバイザーの制度的位置づけ/独立系アドバイザーを律する行動規範/成立ちと主要プレイヤー
2 独立系アドバイザーのサービス内容と経営実態
独立系アドバイザーになるまで/資産管理型営業へと舵を切った証券外務員型独立系アドバイザー/アドバイスの多様化を実現させたRIA
3 米国独立系アドバイザーの課題
独立系アドバイザー大手の素顔/証券外務員型独立系アドバイザーの大型化を牽引するスーパーOSJ/統合が進むRIA/投資顧問型「独立系アドバイザー」から「個人向け投資顧問業者」へ
4 独立系アドバイザー経済圏(エコシステム)の確立
カストディアンとなった証券業者/運用業者による支援/テクノロジー・ベンダーによるエンパワメント/独立系アドバイザーはイノベーションの旗手/独立系アドバイザーに優しい信託/協会・資格団体/米国独立系アドバイザーのこれから
第3章 英国のIFA
1 ファイナンシャル・アドバイザーのサービスの内容と収益状況
ファイナンシャル・アドバイザーの事業/ファイナンシャル・アドバイザーの収入の動向/ファイナンシャル・アドバイザーが受け取る手数料
2 成立ちと制度的立場の変遷
1980年代の「アドバイザーの二極化」政策/RDRの影響/資格要件
3 IFAを取り巻く業界環境の変化
英国の個人金融資産/金融制度改革とIFA/IFAを支えるファンド・プラットフォーム・ビジネス/アドバイス・ギャップの発生とFAMR/アドバイスとガイダンス
第4章 日本のIFA
1 わが国金融業界におけるIFAの位置づけ
日本版IFAの一般的定義/金融商品取引法等におけるIFA(金融商品仲介業者)/IFA(金融商品仲介業者)の属性・営業要件/個々のアドバイザー(外務員)の登録要件/金融商品取引業者等との「所属」関係/IFA(金融商品仲介業者)に課せられる行為規制/業界団体等による自主規制
2 わが国IFA業界の概観
多様な資産運用アドバイスの担い手とIFA/IFA業界の成立ちと現在の業界規模/IFAの営業状況/その他関係プレーヤーの状況
3 IFAのサービス内容と経営実態
事業規模/事業成長性/顧客属性/収益構造(他業態との兼業)/提供商品・サービス/営業戦略/組織・人員体制/委託金融商品取引業者等との関係
4 昨今の業界動向と今後の課題
資産運用アドバイスに対する期待/加速するIFA事業への参入の動き/金融サービス仲介制度の新設/IFA業界が成長するために克服すべき課題

著者紹介【50音順】

大原 啓一(おおはら けいいち)
東京大学法学部卒。2010年ロンドンビジネススクール金融学修士課程修了。野村資本市場研究所を経て、2004年に興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)に入社。日本・英国で主に事業・商品開発業務に従事。同社退職後、マネックスグループ等から出資を受け、2015年8月にマネックス・セゾン・バンガード投資顧問を創業。2016年1月~2017年9月、同社代表取締役社長。2018年5月に日本資産運用基盤株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。本書では「第4章 日本のIFA」を担当。
沼田 優子(ぬまた ゆうこ)
東京大学経済学部卒。野村総合研究所、NRI アメリカ、野村資本市場研究所、野村證券を経て明治大学国際日本学部特任准教授に就任。2018年より特任教授。20年以上にわたり、日米の金融機関について研究。近年は、金融業務の機能分化、「投資アドバイス」のあり方、顧客本位の業務運営等に注目。『変貌する金融と証券業』第11章「トランプ政権下のリテール証券業とフィデューシャリー・デューティー」(証券経済研究所、2018)、「投資アドバイスとは何か;フィデューシャリーとしての米国証券営業担当者の事例から」証券経済研究99(2017)、『資本市場の変貌と証券ビジネス』第14章「金融危機後の米国リテール証券業」(証券経済研究所、2015)等執筆。本書では「第2章 米国のアドバイザー」を担当。
野尻 哲史(のじり さとし)
一橋大学商学部卒。国内外の証券会社調査部を経て、2006年より外資系資産運用会社で投資教育に従事。20年以上にわたって資産形成・資産活用の啓発活動を続ける。2019年5月、定年を機に継続雇用を続けながら合同会社フィンウェル研究所を設立し、資産形成を終えた世代向けに資産の取り崩し、地方都市移住、勤労などに特化した啓発活動をスタート。行動経済学会、日本FP学会などの会員、日本証券アナリスト協会検定会員、2018年9月金融審議会市場ワーキング・グループ委員。本書では「第3章 英国のIFA」を担当。