巨大銀行の破綻処理―ベイルアウトの終わり、ベイルインの始まり

巨大銀行の破綻処理―ベイルアウトの終わり、ベイルインの始まり

定価:2,545円+税

編・著者名:小立 敬[著]

発行日:2021年03月09日

判型・体裁・ページ数:A5判・並製・348ページ

ISBNコード:978-4-322-13593-0

書籍紹介

本邦におけるベイルイン研究の第一人者が金融危機後に様変わりした巨大金融機関の破綻処理の姿を徹底解明。はたして歴史は繰り返すのか、それとも……

◆グローバル金融危機を受けた国際的な規制改革においては、公的資金による破綻金融機関の救済(ベイルアウト)を避けるため、金融機関の株主や債権者の負担のもとで破綻処理を実現するための枠組み(ベイルイン)が整備されてきた。
◆本邦におけるベイルイン研究の第一人者が、「大きすぎてつぶせない」(Too Big to Fail)問題の解決に向けた、日米英欧における制度改革の経緯、その具体的な姿、個別金融機関の破綻処理戦略、各国の差異がどこにあるかを徹底解明。
◆初めてベイルインが適用されたスペインのバンコ・ポプラールの事例から、新しい破綻処理の実行上のネックを分析。金融機関に損失吸収・資本転換できる債務を事前準備させる規制(TLAC)を含めベイルインが日本で機能するための課題を指摘。

主要目次

序章 金融危機後の秩序ある破綻処理制度の整備
第1節 グローバル金融危機とTBTF/第2節 秩序ある破綻処理の枠組みの整備/第3節 ベイルインとTLAC

第1章 秩序ある破綻処理の枠組みに関する国際基準
第1節 FSBの主要な特性の概要/第2節 破綻処理計画、破綻処理戦略/第3節 G-SIBsを対象とするTLAC/第4節 小括

第2章 米国における秩序ある破綻処理の枠組み
第1節 ドッド=フランク法のOLA/第2節 破綻処理戦略(SPE)の検討/第3節 破綻処理計画の策定/第4節 ゴーンコンサーン・ベースの損失吸収力/第5節 小括/補論 チャプター14の創設に係る検討

第3章 EUの秩序ある破綻処理の枠組み
第1節 域内共通の破綻処理の枠組み(BRRD)/第2節 破綻処理計画の策定プロセス/第3節 ゴーンコンサーン・ベースの損失吸収力/第4節 小括

第4章 英国の秩序ある破綻処理の枠組み
第1節 英国の破綻処理の枠組み/第2節 BOEの破綻処理アプローチ/第3節 英国におけるMRELの適用/第4節 小括

第5章 日本の秩序ある破綻処理の枠組み
第1節 従来の金融機関の破綻処理制度/第2節 新たな秩序ある処理の枠組み/第3節 TLACと望ましい破綻処理戦略/第4節 小括

第6章 ベイルインの実施に関するケース・スタディ
第1節 バンコ・ポプラールの破綻処理/第2節 破綻処理におけるバリュエーション/第3節 加盟国の手続に基づく破綻処理事例/第4節 小括

第7章 秩序ある破綻処理の枠組みの国際比較
第1節 破綻処理制度のコンバージェンス/第2節 ベイルインの法的位置づけ、範囲/第3節 破綻処理戦略の比較/第4節 ベイルインのオペレーションに関する論点/第5節 公的資金によるベイルアウト

終章 秩序ある破綻処理の枠組みの実現に向けて

著者紹介

小立 敬(こだち けい)
野村資本市場研究所研究部 主任研究員
1997年慶応義塾大学経済学部卒業。同年4月、日本銀行に入行し、主に考査局、信用機構室においてプルーデンス業務に従事。2003年4月から2005年3月までの間、金融庁に出向し、監督局総務課金融危機対応室において金融危機対応業務に従事。2006年3月に野村資本市場研究所に入社し、2010年6月より現職。
バーゼルⅢを含むグローバル金融危機以降の国際金融規制を主な研究分野としており、最近では金融危機対応、金融機関の破綻処理制度、マクロプルーデンス政策の調査・研究に力を入れている。