イチから知る! フェア・ディスクロージャー・ルール

イチから知る! フェア・ディスクロージャー・ルール

定価:2,640円(税込)

編・著者名:神田 秀樹[監修]/米山 徹幸[著]

発行日:2018年06月20日

判型・体裁・ページ数:A5・並・248ページ

ISBNコード:978-4-322-13274-8

書籍紹介

上場企業の役員、広報IR担当職員の新たな常識!
2018年4月から施行された改正金融商品取引法のフェア・ディスクロージャー・ルールと、同ルールでIR(インベスター・リレーションズ)実務がどう変わるかを徹底解説!!

◆2018年4月施行の改正金融商品取引法で導入されたフェア・ディスクロージャー・ルールとは、上場会社の役員と一定の職員が特定の投資家等に対して株価に影響を与える「重要情報」を伝達する場合には、伝達が意図的な場合は同時に、意図的でなかった場合は速やかに当該情報を公表する措置をとらなければならないというルールです。

◆「社内で確定的となった決算数字をIR担当者がアナリストだけにレクチャーして、市場に発信する」といった行為は同ルールに違反します。上場企業は、何が「重要情報」に当たるのかを明確にし、その情報の取扱い方法を定めて実行することが求められています。投資家との対話のあり方も変わってきます。

◆本書では、「だれ」が「どんな情報」を「だれ」に伝達すればフェア・ディスクロージャー・ルールに違反することになるのか、同ルールに従った「公表」とは何かを徹底解説します。また、同ルールを先行して導入したアメリカでは、どのような事例が摘発されているのか、それを受けて上場企業の情報開示のあり方がどのように変わったのかを詳しく紹介します。

大変わかりやすく、かつポイントを押さえながらも、詳細にFD規制を説明しており、力作であるとともに良書である。
学習院大学大学院法務研究科教授・金融審議会委員 神田秀樹

主要目次

第1章 フェア・ディスクロージャー・ルールを知る―2018年4月施行のFDルールを概説する
 第1節 日本版フェア・ディスクロージャー・ルールの背景
 第2節 日本版フェア・ディスクロージャー・ルールの概要
第2章 米国のレギュレーションFDを知る―その成立の背景、施行、裁判事例、進展
 第1節 レギュレーションFDの施行(2000年10月)
 第2節 米国におけるレギュレーションFD違反の事例
 第3節 米レギュレーションFDの進展
第3章 フェア・ディスクロージャー・ルールに対応する
 第1節 日本証券業協会「アナリストによる取材等のガイドライン」(2016年)
 第2節 日本証券アナリスト協会「日本版FDルールに関するアンケート調査結果」(2017年10月)
 第3節 日本IR協議会「情報開示と対話のベストプラクティスに向けての行動指針」(2018年2月)

参考資料

  • [資料1]
    金融審議会 市場ワーキング・グループ フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース報告
    ~投資家への公平・適時な情報開示の確保のために~(平成28年12月7日)
  • [資料2]
    金融商品取引法第27条の36の規定に関する留意事項について
     (フェア・ディスクロージャー・ルールガイドライン)金融庁総務企画局(平成30年4月1日制定)
  • [資料3] 
    金融商品取引法第二章の六の規定による重要情報の公表に関する内閣府令(平成29年12月27日)
    [資料4] 金融庁 コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方      
    (「フェア・ディスクロージャー・ルール」の関連部分)(平成29年12月27日)

監修者・著者 略歴

〈監修者略歴〉
神田 秀樹 (かんだ ひでき)
1977年東京大学法学部卒業、同年東京大学法学部助手。1982年学習院大学法学部助教授、1988年東京大学法学部助教授、1993年東京大学大学院法学政治学研究科教授。2016年学習院大学大学院法務研究科教授(現職)、同年東京大学名誉教授。現在、金融審議会委員などを務める。

〈著者略歴〉
米山徹幸(よねやま てつゆき)
慶應義塾大学大学院文学研究科修了。大和証券(国際本部)に入社後、ロンドン、パリに勤務。大和インベスター・リレーションズ、大和総研・経営戦略研究所を経て、2010年より埼玉学園大学経済経営学部/大学院経営学研究科教授。2017年から同客員教授(現任)。埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授(2006年~2013年)。主な著書に、「大買収時代の企業情報」(朝日新聞社、2005年)、「広辞苑〔第6版〕」(分担執筆、岩波書店、2008年)、「21世紀の企業情報開示」(社会評論社、2012年)、「イチから知る!IR実務」(日刊工業新聞社、2016年)など。全米IR協会(NIRI)会員。日本IR学会評議員。英国IR協会「IRベストプラクティスガイドライン」の日本版冊子を2010年から毎年、編集・刊行するPFP(Project Future Proof)の創設メンバー。