債権法改正とローン契約

債権法改正とローン契約

定価:2,000円+税

編・著者名:樋口 孝夫[著]

発行日:2018年03月29日

判型・体裁・ページ数:A5・上製・208ページ

ISBNコード:978-4-322-13249-6

書籍紹介

シンジケートローン契約の改訂は急務に!!
平成29年の民法改正を受けて、銀行取引約定書を含む法人向けの融資契約はどのように変わっていくのか?

●譲渡制限に違反した債権の譲渡が原則有効とされたことから、貸付債権の譲渡に関してこれまでシンジケートローン契約で規定されていた制限の取扱いをどうするか
●これまで期限の利益喪失事由に関して借入人の義務違反について帰責性が明記されていなかったローン契約や銀行取引約定書について、このままでよいのか
●貸付人の「貸す義務」の違反に帰責性が必要となるのか

本書では、以上のほかにも多数ある、債権法改正によって生じたローン契約上の論点の解決策を探っている。

主要目次

  1. 無利息消費貸借と利息付消費貸借
    利息付消費貸借のための要件/利息の内容
  2. 諾成的消費貸借契約
    諾成的消費貸借契約の新設/コミットメントライン契約(リボルビング・クレジット・ファシリティ契約)と書面要件/差入方式による諾成的金銭消費貸借契約/貸付人の金員を貸す債務/貸付実行前の借入人の諾成的金銭消費貸借契約の解除権及び解除時の借入人の損害賠償義務並びに借入人の金員を借りる義務
  3. 借入人の任意期限前弁済権
    借入人の任意期限前弁済権の明記及び借入人の損害賠償義務/第591条第2項の任意規定性/任意期限前弁済時の借入人の損害賠償義務
  4.  債務不履行における過失責任の原則の変更とローン契約の規定
    今回の債権法改正による債務不履行における過失責任の原則の変更/期限の利益喪失事由としての借入人の契約上の義務違反の発生と借入人の帰責事由の要否/貸付実行前提条件としての借入人のローン契約上の義務違反の不発生と借入人の帰責事由の要否/財務制限条項の特殊性/貸付人の貸付義務違反の要件としての貸付人の帰責事由の要否
  5.  ローン債権の譲渡とローン契約上の地位の移転の法的関係
    契約上の地位の移転の明文化と貸付人のローン契約上の地位の移転/ローン債権の譲渡がなされる場合の実務上の貸付人のローン契約上の地位の移転の有無/ローン債権の譲渡とローン契約上の地位の移転の法的構成
  6. 債権譲渡制限特約に違反したシローン債権の譲渡の効力
    債権譲渡制限特約に違反した債権譲渡の効力/シンジケートローン契約においてローン債権の譲渡制限特約が規定される目的/シンジケートローン契約におけるローン債権の譲渡制限特約に違反したローン債権の譲渡の効力のグローバルスタンダード/対応策を検討するうえでの前提条件/対応策/対応策の検討
  7. 第三者による弁済
    シンジケートローン契約における第三者による弁済を禁止する合意の内容/第三者による弁済の禁止合意に違反した弁済の効力と債権譲渡制限特約に違反した債権譲渡の効力との関係
  8. 弁済による代位
    第502条第1項及び第2項の趣旨/第502条第3項の趣旨/代位者の一部弁済時の代位権行使制限特約に与える影響/第504条第2項と債権者の担保保存義務免除特約に与える影響/JSLA雛型における代位の規定の内容
  9. 連帯債権とパラレルデット
    立法の趣旨/パラレルデットの内容/パラレルデットの日本法上の有効性/パラレルデットを用いたシンジケートローン取引を行う場合の日本法上の問題点
  10. 保  証
    総論/新設された規定が適用される保証人/貸付人による保証人に対する主債務履行状況情報提供義務/貸付人による保証人に対する主債務の期限の利益喪失の通知義務/保証契約の効力発生要件としての公正証書による保証人の保証債務を履行する意思の表示/事業に係る債務の借入人の個人保証人に対する保証契約締結時の情報提供義務/主たる債務者について生じた事由の効力と保証人の主たる債務者が有する相殺権の抗弁権放棄特約に与える影響/連帯保証人に対する履行請求に関する絶対効から相対効への変更/保証に代えて損失補償をとることの妥当性
  11. 担保権
    譲渡禁止特約付債権の上への担保権の設定の有効性/担保権が設定された債権を受働債権とする第三債務者の相殺権/債権の上への担保権の設定における第三債務者による異議なき承諾による保護の廃止/将来債権の上に設定された担保権の有効性/根抵当権の被担保債権の範囲の追加
  12. 銀行取引約定書等
    今回の債権法改正の施行前に締結された銀行取引約定書等と今回の債権法改正の施行後に締結された個別契約の改正前及び改正後の債権法の適用関係/銀行取引約定書等雛型の改訂の要否

著者略歴

樋口 孝夫(ひぐち たかお)
長島・大野・常松法律事務所所属弁護士(日本国および米国ニューヨーク州弁護士)
昭和62年3月:東京大学法学部卒
平成元年4月:弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野法律事務所(現 長島・大野・常松法律事務所)入所
平成7年5月:米国コロンビア大学ロースクール卒(LL.M)
平成7年9月~平成8年5月:米国ニューヨーク Milbank, Tweed, Hadley & McCloy 法律事務所で研修
平成8年9月~平成9年4月:英国ロンドン Linklaters & Paines(現 Linklaters)法律事務所で研修
平成9年6月~平成11年5月:日本輸出入銀行(現 株式会社国際協力銀行)プロジェクトファイナンス部の案件に専属的に関与
平成22年から現在:京都大学経営管理大学院講義「プロジェクトファイナンス」(株式会社国際協力銀行客員講座)担当非常勤講師(英語)