定価:4,180円(税込)
編・著者名:全国倒産処理弁護士ネットワーク
発行日:2017年11月18日
判型・体裁・ページ数:A5判並製あじろ綴じ・388ページ
ISBNコード:978-4-322-13226-7
破産申立代理人とは何か? 理論考察、Q&A、裁判例検討の3つのアプローチでその法的地位と責任を探求する
債務整理の過程で生じ得る様々な場面で、債務者から相談を受けた弁護士として、債務者の意向を尊重して債務者の利益を図りつつ、債権者の利益にも配慮して、どのように行動することが期待されるのか、それは単に望ましい行動として求められるのか、それとも、受任した弁護士の法的義務として求められるのか。そして、債務者代理人として求められる行為が法的義務となるのはどのような場面か。また、それが法的義務となる根拠は何か、契約責任か、不法行為責任か。契約責任とすれば契約の相手方に対する責任となるが、不法行為責任とすれば、誰に対する責任なのか。仮に、債務者代理人に損害賠償義務があるとしても、債務者に破産手続が開始した場合に、誰がその権利を行使できるのか――。
このような問題を検討しようとするのが、本書の目的である。
(本書序章より)
序章 はじめに
第1章 理論編
現行倒産法制の規定や外国法との比較の視点を交え、破産申立代理人の地位と責任を検討。
破産者代理人(破産手続開始申立代理人)の地位と責任〔伊藤眞〕/破産手続開始申立代理人の責任〔山本和彦〕/破産申立代理人の責任に関する若干のコメント〔中西正〕
第2章 Q&A編
実際の事務処理を通じて想定される局面において、破産申立代理人として期待される事務処理の在り方を検討し、Q&A方式で解説。
Q1 相談の留意点/Q2 受任の成否と弁護士の責任/Q3 受任通知後の事務の遅延/Q4 法人と社長の破産申立の弁護士費用/Q5 弁護士費用の捻出方法/Q6 将来の弁護士費用の負担/Q7 倒産直前の債務負担行為/Q8 情宜のある債権者への弁済/Q9 担保権者への返還/Q10 重要仕入先への返済/Q11 個人財産から会社債務の支払い/Q12 財産の無償移転/Q13 財産の処分/Q14 清算価値の減少/Q15 申立ての遅延/Q16 通帳や印鑑の保全/Q17 受任通知に関する留意点/Q18 破産管財人への協力の範囲/Q19 個人破産者の自宅の処分/Q20 後に発見された財産の処理/Q21 破産財団への帰属の有無について法的解釈に争いが予想される場合の処理
第3章 判例評釈編
12の判例・裁判例を題材に、破産申立代理人弁護士としての心構えや役割、その限界を探求。
①最三小判平25.4.16/②東京地判平25.2.6/③東京地判平23.10.24、神戸地伊丹支決平19.11.28/④東京地判平22.10.14/⑤東京地判平27.10.15/⑥東京地判平21.2.13/⑦東京地判平26.8.22/⑧神戸地尼崎支判平26.10.24/⑨最一小判平28.4.28/⑩青森地判平27.1.23/⑪千葉地松戸支判平28.3.25