地銀創生

コントリビューション・バンキング

地銀創生

定価:2,178円(税込)

編・著者名:伊東眞幸・家森信善 著

発行日:2016年06月23日

判型・体裁・ページ数:四六・上製・264ページ

ISBNコード:978-4-322-12884-0

書籍の説明

著者の略歴

伊東 眞幸(いとう まさき)   
1978年3月一橋大学経済学部卒業、同年4月横浜銀行入行。1986年米国ミシガン大学経営大学院入学(銀行派遣)、1988年同大学院修士課程修了(MBA)。2000年5月秘書室長、2006年6月取締役執行役員経営企画部長を経て、2008年4月代表取締役。2012年6月現職。著書に『地銀連携―その多様性の魅力』(2014年)、『地銀の選択―一目置かれる銀行に』(2014年)、『地銀の未来―明日への責任』(2015年、いずれも金融財政事情研究会)がある。   
家森 信善(やもり のぶよし)   
1986年3月滋賀大学経済学部卒業、名古屋大学大学院経済学研究科教授、名古屋大学総長補佐などを経て、2014年より神戸大学経済経営研究所教授および名古屋大学客員教授。経済学博士。専門は、金融システム論。現在、金融庁・参与、金融審議会委員、金融機能強化審査会委員、金融仲介の改善に向けた検討会議有識者メンバー、中小企業庁・中小企業政策審議会臨時委員、東海財務局・金融行政アドバイザリーなどを務める。著書に『地域連携と中小企業の競争力』(2014年、中央経済社)などがある。   

書籍紹介及び目次抜粋

『地銀連携』『地銀の選択』『地銀の未来』に続く地域金融機関への提言第4弾! 横浜銀行の経営を担ってきた伊東社長と金融審議会で活躍する気鋭の論客・家森教授のコラボレーションによって見出された、マイナス金利時代を生き残るための新たな道。   
◆コントリビューション・バンキングとは? リレバンを深化・拡大し、「金融機関自らが戦略的・積極的に企画立案・行動することにより地元経済活性化に貢献・参画し、将来の地元経済ならびに日本経済全体の発展、ひいては自行の発展をめざすビジネスモデル」である。   
◆地方創生では足りないのか? 地方間競争ではゼロサムにしかならない。プラスサム実現のために「国際化」を基軸に据え、地域金融機関主導による「外国人観光客の広域周遊観光ルート形成」「海外からの直接投資の拡大」「ブランド力ある商品の海外輸出拡大」の方策を示す。   
◆地域金融機関は担い手となりうるか? アンケート調査をもとに金融機関職員の意識を解明し、職員に対してどのようなインセンティブの与え方をすれば「働きがい」が高まり、ビジネスモデルの転換が可能になるのかを考察する。巻末に地域金融機関の経営をめぐる家森教授と伊東社長の対談も収録。   
地元経済の衰退、マイナス金利長期化のなかで今後のビジネスのあり方を模索する地域金融機関の経営者、職員にとって必読の書。   
●主要目次●   
序 章 地方創生が求めるリレーションシップバンキングの高度化  家森 信善   
1 雇用の質を重視する地方創生総合戦略/2 地方経済の主役は中小企業/3 地方創生は地域金融機関にとっての試金石/4 従来の「金融」の領域を大きく超える社会的要請/5 金融行政も地方創生を積極推進/6 地方創生こそ地域金融機関の目指すもの/7 始まった地域金融機関による地方創生への取組み/8 未来型リレーションシップバンキングの実現に向けて/9 本書の構成・展開   
第1章 地銀への期待とその多面性  伊東 眞幸   
1 地銀に対する期待が高まっている―その意味合い/2 地銀への期待―三つの切り口/3 日本全体のマクロ的な期待/4 地域ミクロ的な期待/5 個別戦略論的な期待   
第2章 地銀はリレバンだけで十分か―コントリビューション・バンキングの勧め  伊東 眞幸   
1 リレバンがもつ三つの機能・役割/2 人口減少社会の本格的な到来/3 地元経済活性化・発展の担い手/4 これまでの地銀経営/5 パイを拡大させる/6 地元活性化・発展への「貢献・参画」/7 新しいビジネスモデル―コントリビューション・バンキング/8 リレバンとコントリビューション・バンキングの関係   
第3章 地方創生と地銀の役割(1)―「ゼロ・サム」から「プラス・サム」へ  伊東 眞幸   
1 「まち・ひと・しごと創生」の意味/2 「ゼロ・サム」ではなく「プラス・サム」に/3 「ゼロ・サム」の具体例/4 どうすれば「プラス・サム」にできるか   
第4章 地方創生と地銀の役割(2)―広域周遊観光ルート形成とツーリズム  伊東 眞幸   
1 全体最適で目指すべき方向性・ベクトルは「国際化」/2 外国人観光客の誘致強化/3 新しい人気観光ルートとは/4 新しい人気観光ルートの選定方法/5 医療ツーリストの受入れ強化   
第5章 地方創生と地銀の役割(3)―対内直接投資の促進とブランド力ある商品の輸出強化  伊東 眞幸   
1 「国際化」もう一つの視点/2 海外からの直接投資の拡大/3 ブランド力ある商品の海外輸出拡大/4 地銀にしかできない役割を果たす   
第6章 地域金融機関の現場は地方創生を実現できるか  家森 信善   
1 経営と現場の乖離?/2 地域金融機関の支店長に対する調査の概要/3 厳しい事業環境と支店長の将来展望/4 地域金融機関の強みはどこか/5 支店長は経営支援を行いたい!/6 現実は顧客と密着できなくなっている/7 目利き力のある職員が育たない環境/8 支店長自身のコンサルティング能力/9 地域密着型と矛盾する人事評価/10 人事評価を変えれば現場は変わる/11 人事評価の改革を始めた金融機関も   
第7章 職員にとって働きがいのある職場になっているか  家森 信善   
1 支店長以外の職員の声は?/2 調査の実施概要/3 地域金融機関に就職した理由/4 仕事のやりがい/5 やりがいと人事評価の観点/6 評価と指導/7 「減点主義」から「加点主義」への転換の重要性/8 企業支援の取組みは「やりがい」を高める/9 総括―地方創生の担い手として機能できる組織に変化せよ!   
最終章 地域金融機関の王道・使命《対談》  伊東 眞幸/家森 信善   
1 地元企業への支援が評価されてこそ!/2 職員のやりがいや充実感を高めるには/3 結果至上主義の人事評価の弊害/4 行動評価のあり方が問われる/5 地域金融機関に絶好のチャンス到来/6 なぜ信金・信組で減点主義の傾向が強いのか/7 地域や取引先に恩恵のある再編こそ!/8 地域のシンクタンク機能―地域のグランドデザインを描く