地域金融のあしたの探り方

人口減少下での地方創生と地域金融システムのリ・デザインに向けて

地域金融のあしたの探り方

定価:3,080円(税込)

編・著者名:大庫直樹 著

発行日:2016年03月04日

判型・体裁・ページ数:四六判・上製・364ページ

ISBNコード:978-4-322-12859-8

書籍の説明

著者の略歴

大庫 直樹(おおご なおき)
1962年 東京・堀切菖蒲園生まれ   
1985年 東京大学理学部数学科卒業。   
同年 マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京オフィスに入社。93~94年のストックホルム・オフィス、95年のソウル・オフィス勤務を踏まえて、99年より、パートナーとして、東京オフィスにおけるリテールバンキング・プラクティスのリーダーとして活躍。また、通信、電力などの社会サービス系企業の経営改革、規制緩和対応にも従事。2005年退職   
2005年~2008年 GEコンシューマー・ファイナンス株式会社に入社。事業開発分野の執行役員   
2008年     ルートエフ株式会社を設立。代表取締役に(現職)   
2009年~2011年 大阪府 特別参与   
2012年~    大阪府・市 特別参与(現職)   
2013年~    金融庁 参与(現職)   
2013年~    同志社大学 非常勤講師(現職)   

書籍紹介及び目次抜粋

バンカーよ、金融庁の声を待つな!   
市場の真理を見抜き、自ら動け!   
不都合な真実=生き残りを賭けた変革への出発点   
●『週刊金融財政事情』連載で話題の論文、大幅加筆・再構成を施し待望の単行本化!   
●豊富な図表が教えてくれる市場分析の心得と目のつけどころ   
■地域金融市場の将来シナリオ   
・年代別個人金融資産   
・個人金融資産の将来予想   
・預金残高の将来予想   
・都道府県別預金残高増減率試算   
・生産年齢人口と貸出残高の関係   
・都道府県別貸出資金残高増減率試算   
・地方別人口の転出先   
・県庁所在都市の経済力と社会増減の関係 etc   
■地域金融機関が生き残る条件(銀行、信用金庫)   
・預貸ギャップと国債金利、資金利鞘の関係   
・経費率と資金利鞘の関係   
・営業経費に対する経営統合効果   
・地元シェアと貸出金利の関係   
・規模拡大の効用   
・和歌山県と北海道のケーススタディ   
・信用金庫の預貸率と有価証券運用 etc   
■地方創生のエンジン   
・顧客所在による産業分類   
・就業者数にみる産業構造の変化   
・産業別就業者数と人口の関係   
・産業区分別1人当り付加価値額   
・広域展開企業の経済貢献度   
・地方版総合戦略の策定   
・北海道伊達市と網走市のケーススタディ etc   
●主要目次●   
第I部 あしたの地域金融市場の見立て方   
第1章 人口減少は預貸ギャップを拡大し地方市場を蝕む   
1 預金市場では人口減少と高齢化が影響を打ち消し合う   
2 貸出市場は生産年齢人口とともに減少する   
第2章 社会移動の奔流は急速な市町村格差を促す   
1 市町村間の社会移動はより大きな影響を及ぼす   
2 社会移動は経済力が影響を与えている   
第II部 あしたの地域金融機関のつくり方   
第3章 地域銀行の最終解は合併か独自モデルかの二者択一   
1 預貸ギャップと資金利鞘の関係がコモディティ化を示唆している   
2 銀行規模が営業経費を決める   
3 トップライン向上よりも合併によるコスト削減効果が勝る   
4 「地域」銀行から本当の意味での「地方」銀行へ   
5 2つの意味でアセット・マネージメント会社たれ   
第4章 信用金庫は個別の多様化とシステムとしての見直し   
1 信用金庫も銀行業として同様の傾向をもつ   
2 広域化しなければならない信用金庫のディレンマ   
3 多様化を目指すのが信用金庫の本分   
4 信用金庫システムとしての信金中央金庫のあり方   
第III部 あしたの地域経済の育み方   
第5章 視点を変えた枠組み─ILO産業分類と7つの基本軸   
1 顧客はどこにいるのか─ILO産業分類   
2 地方版総合戦略の7つの基本軸   
第6章 アウトバウンドとインバウンドへ資源を振り向けろ─総合戦略策定検証   
1 都道府県レベルでの地方版総合戦略を描く─北海道のケース   
2 市町村レベルでの地方版総合戦略を描く─伊達市と網走市のケース   
第7章 地方創生に向けた自治体と地域金融機関への宿題   
1 地方税データベース構築を急げ   
2 地方創生における地域金融機関の役割は多い   
3 みんなでこの手法のポテンシャルを引き出せ   
補遺 本書を読むための手引き   
   バンカーのための「科学と科学史」についての随想