企業価値向上のデリバティブ

リスクヘッジを超えて

企業価値向上のデリバティブ

定価:2,970円(税込)

編・著者名:福島良治 著

発行日:2015年03月04日

判型・体裁・ページ数:A5判・上製・248ページ

ISBNコード:978-4-322-12633-4

書籍の説明

著者の略歴

福島 良治(ふくしま りょうじ)   
みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)取締役、博士(経済学)   
専修大学大学院経済学研究科・早稲田大学大学院ファイナンス研究科非常勤講師   
〈著書〉   
『デリバティブ取引の法務と会計・リスク管理〔第2版〕』『図説金融ビジネスナビ〈2015〉情報リテラシー向上編』(以上、金融財政事情研究会)、『英雄詩伝―漢詩で読むリーダーの生き方』(日本経済新聞社)   

書籍紹介及び目次抜粋

なぜデリバティブを使うのか   
◆「企業価値を向上させる」という観点から、実践的ヘッジ戦略の理論とデリバティブ取引の具体的手法および制度的課題等を詳説。   
◆デリバティブ取引の本質、企業金融(コーポレート・ファイナンス)における位置づけ、ファイナンス、内部統制、法務、会計制度等を複眼的に考察。   
◆デリバティブ取引によってキャッシュフローが安定し、企業価値が向上する仕組みがクリアに。   
◆実際のデリバティブ活用事例から出口戦略までわかりやすく解説した、財務、マーケット部門、リスク管理などあらゆる企業金融担当者にとって必読の書。   
●主要目次●   
第I部 リスクヘッジによる企業価値向上の理論と実証   
第1章 相場観に基づく個別契約のリスクヘッジからALMまで   
1 デリバティブ取引の種類/2 契約別の金融取引をヘッジする利用例/3 契約別の金融取引をヘッジする場合の問題点/4 金融資産・負債のALM/5 事業法人におけるALMのあり方   
第2章 企業はリスクをなぜヘッジすべきなのか─ファイナンス研究概観─   
1 企業がリスクをヘッジすべきとする理論分類/2 自己資本の解放による企業価値向上/3 実証研究の紹介/4 その他の研究/5 まとめ   
第3章 ヘッジによる企業価値向上の検証─企業経営指標EVA(R)・ROEの向上と安定化─   
1 ROEとEVAの確認/2 リスクヘッジによるEVAの向上/3 ヘッジによるEVAおよびROEの安定化を検証する/4 リスクファクターの特定と計測/5 まとめ   
第II部 デリバティブ取引活用戦略   
第4章 分割ヘッジ事例の研究─航空会社のヘッジ戦略─   
1 燃料費リスク/2 航空会社のヘッジ戦略/3 近時の戦略見直しと市場取引を対象としたヘッジ戦略のあり方   
第5章 リスク変換のためのヘッジ戦略   
1 海外子会社向け出融資金の為替変動リスクから金利リスクへの変換─為替換算調整勘定のヘッジの是非について─/2 既製デリバティブ商品による異種リスクへの変換   
第6章 道具としてのデリバティブ戦略   
1 デリバティブ取引を参考指標とした資金調達の選択/2 継続的短期金利資金調達に対する金利スワップ取引によるヘッジ/3 優良企業が利用するコーラブル・ローン/4 外貨建て債券運用における通貨スワップ取引と外貨資金調達の比較/5 クレジット・デリバティブを利用した転換社債の投資戦略/6 天候デリバティブ取引の活用例─市場流動性が乏しいケース─/7 M&Aでの買収対象企業のキャッシュフローの安定化/8 まとめ   
第7章 デリバティブ取引の解約等の出口戦略   
1 デリバティブ取引の解約清算金と逆取引(反対取引)/2 デリバティブ取引の譲渡/3 解約・譲渡における信用リスク引当(CVA)の勘案/4 金融危機時のデリバティブ取引譲渡による資金調達事例   
第III部 企業制度(内部統制・会計制度)の適用にみられる諸問題   
第8章 資金運用目的のデリバティブ取引に関する内部統制のあり方─運用失敗による株主代表訴訟事例を参考に─   
1 判例の概要/2 A社のリスク管理上の問題点/3 コーポレート・ガバナンスや内部統制の観点からのデリバティブ取引のリスク管理/4 長期保有を目的とした投資の簡易リスク管理例   
第9章 長期固定金利上昇リスクのヘッジ戦略と会計処理   
1 固定利付負債を予定取引とするヘッジ処理/2 ヘッジ比率とヘッジ検証について─現在の会計実務指針への批判─/3 不動産開発事業への応用   
第10章 包括的中長期為替予約の有効性と会計制度批判   
1 フラット為替(包括的長期為替予約)とは/2 「当該留意点」およびQ55−2による会計処理の方法/3 フラット為替のヘッジ会計処理に否定的な見解に対する批判/4 まとめ