世界の中央銀行 欧州中央銀行の金融政策

世界の中央銀行 欧州中央銀行の金融政策

定価:3,080円(税込)

編・著者名:河村小百合 著

発行日:2015年01月15日

判型・体裁・ページ数:四六並・308ページ

ISBNコード:978-4-322-12594-8

書籍の説明

書籍紹介及び目次抜粋

財政事情の悪化、高齢化の進展、経済成長力の低下、デフレ懸念など「日本化」にさいなまれる欧州経済。   
EU28カ国、ユーロ圏19カ国をどう束ねるのか?   
◆1998年の設立から16年余。リーマン・ショック、欧州債務危機に対し、欧州中央銀行はいかに対応したか? 特に欧州債務危機の際、重債務国に痛みを伴う変革を迫りながら、ユーロ圏離脱が発生しなかった理由は何か?――欧州金融経済をめぐる基本的疑問に的確に回答。   
◆大規模な資産購入など非伝統的な金融政策に走る米英日の中央銀行とは一線を画す政策運営。欧州中央銀行が採用したオペレーション・政策プログラムを徹底分析!   
◆EU・ユーロ参加国の多様性を背景に、国民・市場との対話や政策運営の透明性確保を充実させる欧州中央銀行。さまざまな公式文書を読み解き、同行の政策スタンスと中央銀行のあり方を検証。   
☆『イングランド銀行の金融政策』『アメリカ連邦準備制度(FRS)の金融政策』に続く「世界の中央銀行」シリーズ第3弾。金融論のサブテキスト、ビジネスパーソンの教養書として!   
〈著者略歴〉   
河村 小百合(かわむら さゆり)   
1988年京都大学法学部卒業、日本銀行入行。1991年(株)日本総合研究所入社、2014年同社調査部上席主任研究員。専門は金融、公共政策。主な公職として、国税審議会委員、社会保障審議会委員、行政改革推進会議歳出改革ワーキンググループ構成員、(独)住宅金融支援機構事業運営審議委員会委員など。論文多数   
●主要目次●   
第I部 欧州中央銀行の歴史と金融政策運営――「危機」前はいかなる状況にあったのか   
第1章 歴史と欧州共同体における位置づけ   
1 欧州経済・通貨統合の経緯   
2 欧州中央銀行の欧州共同体における位置づけ   
第2章 欧州中央銀行の組織   
 1 欧州中央銀行制度とユーロシステムの構造   
 2 欧州中央銀行制度およびユーロシステムにおける意思決定機関   
 3 欧州中央銀行における意思決定の実際   
第3章 金融政策運営の目標   
 1 欧州中央銀行の金融政策運営の基本的な目標――物価の安定   
 2 欧州中央銀行の金融政策運営戦略   
 3 「最後の貸し手」機能の考え方   
第4章 金融政策運営の実際   
 1 金融政策オペレーションの枠組み   
 2 金融調節のメカニズムと手段   
第II部 「危機」と欧州中央銀行――欧州債務危機にいかに対処し、いかなる金融政策運営を講じているのか   
第5章 世界的な金融危機・欧州債務危機と欧州中央銀行   
 1 危機の流れと主要な出来事――概観   
 2 第1フェーズ:グローバルな金融危機――2007年8月のサブプライム危機および2008年9月のリーマン・ショック以降   
 3 第2フェーズ:ギリシャ危機――2010年5月、ユーロ圏のソブリン債務危機の発生   
 4 第3フェーズ:ソブリン債務危機と銀行危機が「負の両輪」に――2011年半ば以降、ユーロ圏のソブリン債務危機と銀行セクターのゆがみが相まっての再度の緊迫化   
 5 第4フェーズ:ギリシャの二度にわたるデフォルトとユーロ離脱の危機   
第6章 非標準的手段による金融政策運営の内容   
 1 収束に向かった欧州債務危機――2013年入り後の状況   
 2 新たな課題:経済の低インフレ化への対応   
 3 欧州中央銀行が打ち出した、新たな「非標準的手段」による金融政策運営   
 4 欧州中央銀行による非標準的手段による政策運営の考え方――他の主要中銀との比較