イングランド銀行の金融政策

イングランド銀行の金融政策

定価:2,035円(税込)

編・著者名:斉藤美彦 著

発行日:2014年06月10日

判型・体裁・ページ数:四六並・216ページ

ISBNコード:978-4-322-12560-3

書籍の説明

著者の略歴

斉藤 美彦(さいとう よしひこ)   
1979年東京大学経済学部卒業、全国銀行協会連合会(現・全国銀行協会)入社。その後、日本証券経済研究所を経て、1997年広島県立大学(現・県立広島大学)経営学部助教授、2001年より独協大学経済学部教授。   
この間、1986~87年ロンドン大学(LSE)大学院研究生、1992年ロンドン大学(SOAS)客員研究員、1995~96年オックスフォード大学(セント・アントニーズ・カレッジ)スワイヤ・キャセイパシフィック・フェロー。   
主な著書に、『リーテイル・バンキング―イギリスの経験―』(時潮社)、『イギリスの貯蓄金融機関と機関投資家』『金融自由化と金融政策・銀行行動』(以上、日本経済評論社)、共著書に『国債累積時代の金融政策』(日本経済評論社)、『イギリス住宅金融の新潮流』(時潮社)など。   

書籍紹介及び目次抜粋

3世紀を超える歴史のなか、初めて迎えた外国人総裁マーク・カーニー氏のもと、イングランド銀行の政策運営はどう変わる!?   
◆マネーサプライ・ターゲティングと為替ターゲティングの失敗を経て導入されたインフレーション・ターゲティングや、中央銀行の独立性、1997年の銀行監督権限喪失(金融サービス機構=FSA体制)を考察。   
 
◆2006年5月に採用した新金融調節方式(完全後積み方式の準備預金制度)につき、近年の非伝統的・非正統的な金融政策・調節と対比しつつ、その重要性と特異性、とりわけ量的緩和が不可能な制度設計を検証。   
 
◆2007年のノーザンロック危機によって危機モードに突入後、2009年から導入した量的緩和政策について、日本銀行の金融政策と比較しながら概要・理由・効果・課題を詳説。   
 
◆金融危機後の金融規制体系変更(FSA体制の解体)とBOEの機能強化、量的緩和政策の弊害(マネタイゼーション)や出口政策の方向性など、カーニー体制下の政策運営を概観し、今後を大胆に予想する。   
 
金融論のサブテキスト、ビジネスパーソンのための教養書「世界の中央銀行」シリーズ第1弾!   
 
●主要目次●   
序 章 イングランド銀行とシティ   
 1 イングランド銀行の設立   
 2 「政府の銀行」から「中央銀行」への変貌   
 3 国有化、そして戦後の変化   
第1章 インフレーション・ターゲティング、独立性の獲得およびFSA体制   
 1 ERM加盟から通貨危機まで   
 2 インフレーション・ターゲティングの採用   
 3 ブレア労働党政権の改革   
 4 不十分であった預金保険制度   
 5 インフレーション・ターゲティングの枠組みのもとでの金融調節   
第2章 平時の金融政策・調節の姿   
 1 2006年5月の金融調節方式変更の概要   
 2 従来、準備預金制度と思われてきた制度   
 3 新方式による金融調節の体系   
 4 調節方式変更後の実態   
 5 危機モードへの移行前の調節方式   
第3章 世界金融危機とイングランド銀行の対応   
 1 平時の金融調節の確認とその考え方   
 2 金融危機下のイングランド銀行金融調節   
 3 量的緩和政策の採用とその評価   
第4章 イギリスと日本の量的緩和政策   
 1 2001年からの日本銀行の量的緩和政策からの教訓   
 2 イングランド銀行の危機対応と量的緩和政策   
 3 日本銀行のリーマン・ショック後の危機対応の特徴   
 4 日英両国の中央銀行の対応の相違と論点   
終 章 新総裁体制の変化は