KINZAIバリュー叢書 デリバティブとはさみは使いよう

KINZAIバリュー叢書 デリバティブとはさみは使いよう

定価:1,760円(税込)

編・著者名:岩橋健治 著

発行日:2014年03月25日

判型・体裁・ページ数:四六並・184ページ

ISBNコード:978-4-322-12434-7

書籍の説明

書籍紹介及び目次抜粋

なぜ輸入業者が円安で収益改善?   
輸出業者は円安でもう安心?   
為替デリバ損失で非があったのは、「売り手」?「買い手」?   
それとも「商品」?   

 

 誤ったヘッジ、非合理的な資金調達・運用のケースからデリバティブの正しい使い方、売り方を知り、企業経営を為替変動リスクから解放しましょう。   

 

 本書を読めば、たとえば……   
●為替オプションの売り取引という商品自体が特に危ないわけではなく、「解約不可」によって反対取引をする機会を奪う条件で、商品を販売した銀行、その前提をわかったうえで商品を買った顧客企業の双方に問題があったことが、納得できます。   
●また、外国に投資をする際に、為替リスクをとりたくなければ、投資する国の通貨で調達すればいいのです。金利が低いからといって、円で調達するのは、投資対象国の通貨と円の金利差分、為替リスクをあえてとりにいっているということが、よくわかります。   

 

 はさみを上手に使う人、はさみでケガをする人、はさみでケガをしたからはさみを使わなくなった人、はさみで他人にケガをさせる人、ケガをしないように使い方を教えながらはさみを売る人、切れ味鋭いはさみを作る人……。   
 どれほど切れ味抜群のはさみを使っても、使い方を誤れば効用は中途半端、下手をすれば凶器にもなります。   
 本書は、一人でも多くの人にデリバティブの正しい使い方を理解、実践してもらいたいためのハウツー本です。   
●主要目次●   
第1章 デリバティブは商品が悪いのですか? 使い方が悪いのですか?   
1 デリバティブは金融取引ですので金融市場の動向により得をしたり損をしたりするものです/2 相場を張ったら普通は「手仕舞い」をするものです/3 相場モノを「原則解約不可」という条件付きで販売するということ/4 銀行の手数料率はいくらだったのでしょうか?/5 「反対取引」ができない前提で相場モノの取引をすることに問題があったのです   

 

第2章 「ヘッジ」って何?   
1 ヘッジ取引とは/2 「現物」が価格変動リスクを負っているのはどういう場合?/3 被害にあった中小輸入企業が締結した為替オプション取引は正しい「ヘッジ」取引だったのでしょうか?/4 本当は「ドルコールオプションの買い」取引だけを締結すべきだった/5 ではなぜそうしなかったのでしょうか? どうして「ドルプットオプションの売り」取引も一緒にしてしまったのでしょうか?/6 「ヘッジ」という言葉の響き/7 オプション料の支払いを躊躇する理由/8 金利の例で考えてみると/9 「ヘッジ」についてのまとめ   

 

第3章 為替と金利の話   
1 海外に現地法人を設立したところ円高で為替損が発生しました/2 為替損が発生したことが即問題でしょうか?/3 海外進出の事業計画における調達コストは現地通貨の金利で考えるべき/4 海外の企業が日本に進出した場合、円建てで考えている/5 世界で一番金利が低い円という通貨で資金調達ができるということは/6 為替損と低金利調達による金利差益を足し合わせたら?/7 生命保険会社のヘッジ付き外債投資について/8 シップファイナンス(船舶金融)について   

 

第4章 銀行のリスク管理の話   
1 預金に係るリスク管理の話/2 リレーションシップ目的での株式保有について   

 

第5章 本業でとっているリスクと本業以外のリスクの分離(管理会計の勧め)   
1 為替による損益を別建てにしてみましょう/2 別建てで管理することにより、部門別の数字がわかりやすくなります/3 輸出企業も同じです。その際、部門間の「仕切り値」は重要です/4 ここでとりあえずまとめてみます/5 海外現地法人も含めた場合は?/6 多通貨会計の勧め/7 「想定レート」と「為替感応度」の不思議/8 現地生産拡大は為替の影響を受けにくくするためでしょうか?/9 まとめ   

 

第6章 デリバティブの正しい使い方   
1 何のためにデリバティブを使うのか、目的をはっきりさせましょう/2 輸出と輸入がある場合は、差額(ネット)で管理しましょう/3 デリバティブは実際に取引を締結することよりも大事な使い方があります/4 何もしなくてもポジションはとっています/5 デリバティブを締結する時は、いつでも手仕舞いができることを確認してください/6 ヘッジするにはコストがかかるものであることを認識して/7 うまい話には必ず裏があることは肝に銘じて/8 デリバティブはバランスシートを使わずに資金取引(現物取引)と同じポジションをとれる便利な商品/9 オプションの「売り」が問題にならない使い方もあります/10 ちょっと変わったデリバティブの使い方/11 最後に、金利リスクヘッジの話をしておきます