KINZAIバリュー叢書 中国現地法人の出口戦略と撤退実務

KINZAIバリュー叢書 中国現地法人の出口戦略と撤退実務

定価:1,760円(税込)

編・著者名:前川 晃廣 著

発行日:2014年01月06日

判型・体裁・ページ数:四六並・188ページ

ISBNコード:978-4-322-12412-5

書籍の説明

著者の略歴

前川 晃廣(まえかわ あきひろ)   
1964年四国・松山生まれ。1987年復旦大学国際政治学部に1年間国費留学。1989年慶應義塾大学政治学科(国分良成ゼミ)を卒業し日本興業銀行入行。大阪支店・中国委員会・外国為替部等を経て、興銀上海支店課長・広州首席代表を歴任。2008年キャストコンサルティング(株)取締役、2011年上海法人総経理。中国在住。2日12時間完結の中国駐在員向けセミナー「駐在員塾(R)」主宰。証券アナリスト・中小企業診断士。   

書籍紹介及び目次抜粋

進出するために「撤退」を知る!   
中国ビジネスを知り尽くした著者が   
Exitノウハウを基礎から解説   
◆「10年経過したら現地法人の再編を視野に入れるべきである」(第2章)   
◆中国現法の労務対応から清算手続まで、最適の撤退方法をわかりやすく解説   
◆中国にかかわるすべてのビジネスパーソン、必携の1冊   
 本書は、中国に設立した現地法人のための、撤退も含めたExitに関する解説書です。ただし、「中国はトンデモナイ国だから、早期に撤収しましょう!」などといっているのではなく、「撤退のお作法を知ったうえで、普段から法人を設立・運営しましょう」ということを説明しています。   
 いざ、縮小・売却・撤退などの具体的アクションを起こす段階になって後悔しないために「畳みやすい現法にしておくノウハウ」を学ぼうとするのは、世界でもまれにみる日本人の「立つ鳥あとを濁さず」という素晴らしい精神のなせるワザともいえましょう。「濁さず」は崇高な思想ではありますが、かといってビジネスはボランティアでやっているわけではありませんから、中国のルールをちゃんと理解したうえで、必要以上のコストや時間をかけないで中国事業を「再編」していくのです。   
 本書が最終的に目指すところは、「濁さず」を根底に置きながらも、「経済合理性を極大化し、経済損失を極小化するための、最適の撤退方法」を探し当てることにあります。(本書序章より)   
●主要目次●   
第1章 中国現地法人「出口戦略」の基礎知識   
1 「出口戦略」を構成する各要素/2 解散→清算/3 破産・清算/4 出資持分譲渡/5 実質減資/6 その他の選択肢   
第2章 中国現地法人の寿命の決め方   
1 土地使用権の年限と現法の経営年限/2 独資企業の手仕舞い方法/3 合弁企業の手仕舞い方法/4 中国現法運営の環境変化(1) 優遇税制の廃止/5 中国現法運営の環境変化(2) 税務問題・税関問題/6 中国現法運営の環境変化(3) 経済補償金は「見えざる負債」/7 中国現法運営の環境変化(4) 工場立地問題/8 中国現法運営の環境変化(5) 労務問題/9 中国現法運営の環境変化(6) ブランドと社歴との連関は薄い/10 中国現法運営の環境変化(7) 中国現法20年論/11 中国現法運営の環境変化(8) 解散・清算にはドラマが   
第3章 中国M&Aの実態   
1 売却先のファインディング/2 譲渡先候補との交渉/3 中国での企業価値評価/4 DCF法/5 簿価純資産法/6 その他の手法/7 中国系企業との交渉テクニック   
第4章 解散・清算の実務   
1 「公司法」における解散原因/2 清算期間に関する規定/3 人員整理の流れ/4 30日前の解雇告知/5 労働局報告の直後にXデーを/6 Xデーのドラマ/7 経済補償金に関する論点/8 清算活動に必要な人員/9 清算手続の主な流れ/10 解散認可の取得/11 清算組の組成/12 処分財産の評価方法/13 従業員との労務関係/14 合意解除による労働契約の終了/15 一時金を現金で手渡す方法も/16 Xデー当日/17 会社都合のリストラができない従業員/18 労災の従業員への対応/19 職業病の従業員への対応/20 産前・産後・授乳期の従業員への対応/21 解除に合意しない従業員への対応/22 いくら割り増せばいいのか/23 Xデーは月曜日に/24 清算財産から優先して支払う費用/25 日本からの緊急送金/26 債権放棄に伴う日本本社での損金参入/27 債務免除に伴う中国現法への益金課税/28 設備売却に対する増値税課税/29 在庫による債務弁済/30 資産の放棄に対する課税/31 清算に伴う三項基金の処理/32 清算に伴う労働組合費の処理/33 清算手続の終了と残余財産の送金