金融ビジネスの病態と素因

インセンティブ構造再設計の視点

金融ビジネスの病態と素因

定価:3,080円(税込)

編・著者名:大村敬一・高野真 編著

発行日:2013年12月09日

判型・体裁・ページ数:A5並・292ページ

ISBNコード:978-4-322-12378-4

書籍の説明

著者の略歴

大村 敬一(おおむら けいいち)   
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。1949年生まれ。慶應義塾大学経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士(法政大学)。法政大学経済学部教授、早稲田大学商学部教授を経て現職。その間、MITスローンスクール、ミシガン大学ビジネススクール、NYUスターンスクールの客員研究員、証券アナリスト試験カリキュラム委員長、公認会計士試験委員、大蔵省財政金融研究所特別研究官、内閣府官房審議官。日本ファイナンス学会長、日本リアルオプション学会長、早稲田大学大学院ファイナンス研究科長、商学学術院副院長等を歴任。著作は、『オプション 理論と応用』東洋経済新報社(1988)、『経済学とファイナンス』(共著)東洋経済新報社(1995)、『株式市場のマイクロストラクチャー』(共著)日本経済新聞社(1998、日経経済図書文化賞受賞)、『金融再生 危機の本質』(共著)日本経済新聞社(2007)、『ファイナンス論』有斐閣(2010)、『ファイナンスの基礎』(共著)金融財政事情研究会(2012)ほか著作論文等多数。   
高野 真(たかの まこと)   
ピムコジャパンリミテッド取締役社長、1961年生まれ。早稲田大学教育学部理学科、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程、大和総研主任研究員、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント執行役員を経て2002年より現職。この間、証券アナリストジャーナル賞受賞(1992)、一般社団法人日本投資顧問業協会理事、証券アナリスト試験委員、日本ファイナンス学会理事を歴任。著作は、『投資信託革命』(共著)日本経済新聞社(1998)等。   

書籍紹介及び目次抜粋

なぜ閉塞状態を打破できないのか?   
◆「金融イノベーションと金融危機」「金融危機で変わる投資行動と投資運用業の展望」「シャドーバンキングの実態」「CDSによるリスク管理とプライシング」など、多様なテーマをオムニバス形式で詳細に分析。   
◆日本の金融ビジネスに漂う閉塞感の要因を検討し、金融システムに内包されるインセンティブ(金融機関経営者にとっての報酬、投資家にとってのリターンなど)上の問題を指摘、ユニークな視点から処方せんを探る。研究者、金融実務に携わる方、必読の書。   
●主要目次●   
第1章 金融イノベーションと金融危機――整理   
(大村敬一)   
1 頻発化する金融危機/2 金融不安定化の図式/3 金融イノベーションと金融システム/4 金融イノベーションの発展段階/5 金融イノベーションは複雑化をもたらす/6 金融イノベーションの誘因と金融システムの変貌/7 リスクの金融部門への集中化、金融システムの高度化/8 リスクマネジメントの罠/9 エクイティの罠/10 自由化・市場化の罠/11 期待される最後の貸し手機能/12 住宅ローン証券化の構造/13 ソブリンリスク―国家債務の乱売/14 「大きな政府」の必然性と内在する国家債務破綻リスク   
第2章 金融危機で変わる投資行動と資産運用業の展望   
(高野 真)   
1 はじめに―投資環境の構造変化/2 変わる投資家の投資行動/3 これからの資産運用業/4 資産運用ビジネスの課題/5 まとめ   
第3章 不安定化する欧米金融システムと金融規制改革   
(関 雄太)   
1 はじめに/2 低評価に甘んじる米国の大手金融グループ/3 金融規制改革の目標と現状/4 矛盾を残す米国金融セクターの安定化問題/5 欧州の金融システム安定化/6 今後の展望   
第4章 シャドーバンキングの実態と金融システムの不安定性   
(李 立栄)   
1 はじめに/2 シャドーバンキングとはどのようなものか/3 シャドーバンキングの性質と役割/4 なぜシステミックリスクが発生したのか/5 FSBによるシャドーバンキングの規制強化の方向性/6 おわりに   
第5章 バーゼルIIIに対応するための巨額公募増資をめぐる謎   
(鶴澤 真・大村敬一)   
1 はじめに/2 規制対応の公募増資の実態/3 規制対応の公募増資が対立するメカニズム/4 規制対応の公募増資のモデルによる検証/5 まとめ   
第6章 わが国の金融行政が銀行の裁量的会計行動に与えた影響   
(江頭厚志)   
1 はじめに/2 公的資金注入銀行の利益の質に対する疑問/3 健全化計画の影響力/4 銀行の会計行動に関する先行研究/5 金融健全化法の影響に関する実証分析/6 金融再生プログラムに関する論点整理/7 金融再生プログラムの影響に関する実証分析/8 モラルハザード問題/9 まとめ   
第7章 経営インセンティブと企業の資本構成   
(鈴木 誠)   
1 はじめに/2 経営インセンティブ研究の歴史/3 経営者の利益拡大と企業の資金調達モデル/4 実証分析/5 実証分析の結果とインプリケーション/6 結語   
第8章 偏った資産選好――預貯金選好バイアスの謎   
(藤田哲雄)   
1 はじめに/2 わが国の金融仲介構造の特徴/3 預金比率が高い理由―従来の仮説/4 インセンティブ構造からの考察/5 おわりに   
第9章 投資家の分配金志向の謎   
(俊野雅司)   
1 はじめに/2 投信市場における分配金志向の現状/3 分配金志向の背景と問題点/4 分配金志向と投資効率/5 本章のまとめと政策的な検討課題   
第10章 投資信託の銀行窓販増加と保有期間短期化   
(楠美将彦)   
1 はじめに/2 近年の投信の状況/3 銀行窓販の高比率/4 投資期間の短期化/5 投信の仕組みの変更(手数料体系変更)/6 まとめ   
第11章 CDSによるリスク管理とプライシングの謎   
(茶野 努)   
1 はじめに/2 CDS取引とは何か/3 CDS取引の特性―価格はどのようにして決まるのか/4 まとめ