バリューチェーンファイナンス

変わりゆく顧客の視点からみた、企業と銀行の「対話」の技術

バリューチェーンファイナンス

定価:2,420円(税込)

編・著者名:江上広行 著

発行日:2013年08月20日

判型・体裁・ページ数:A5並・248ページ

ISBNコード:978-4-322-12332-6

書籍の説明

著者の略歴

江上 広行(株式会社 電通国際情報サービス)   
1967年石川県金沢市生まれ   
1989年金沢大学経済学部卒業   
地方銀行に入行、営業経験を経た後、融資部門にて信用調査、研修講師、業務設計、CRMシステムの開発等に従事   
2007年より株式会社電通国際情報サービス、主に地域金融機関向けサービスの企画、業務改革のコンサルティング等を行う。現在は、株式会社電通国際情報サービス 金融ソリューション事業部 金融事業戦略部 VCFグループ マーケティングプロフェッショナル   
著書に『金融円滑化法の管理・説明・サポートの実際』(銀行研修者 共著)などがある   
一般社団法人東北共益投資基金 アドバイザー   
公益社団法人Civic Force アドバイザー   
経済産業省 知的資産経営評価融資研究会委員(2009)   
経済産業省 ITクラウドを活用した経営支援基盤調査研究事業委員(2013)   
中小企業診断士/日本生産性本部認定経営コンサルタント/ITCA認定ITコーディネータ   

書籍紹介及び目次抜粋

「リレバン」を超えた、これからの20年を決める   
地域金融改革のバイブル   

◆バリューチェーンファイナンスとは、   
〈Value〉  企業が付加価値を生む構造を「見える化」し、   
〈Chain〉  その価値が形づくられるつながりに銀行自身もかかわることで、   
〈Finance〉 企業と銀行がともに成長を支え合う金融手法   
◆銀行員と顧客の「対話」のあり方を再設計することによって、法人取引にまつわる課題の多くを解決することができる   
◆銀行を、銀行員を、そして地域を「なんとかしていきたい」と願うサムライたちの必読書   

●主要目次●   
第I部  バリューチェーンファイナンスとは何か   
第1章 すでに始まっている顧客と銀行の関係の変化   
◆銀行は顧客の眼からはどのように見えているのか   
銀行は企業経営者から相談相手だとは思われていない/法人企業統計から透けて見える「頼りにされない銀行」の実態/銀行の競争相手は、銀行ではなくなっている   
◆これから、顧客と銀行はどこに向かっていくのか   
ソーシャルファイナンスの潮流/中小企業金融円滑化法終了の真の影響/真に事業計画策定に関わることができない銀行/企業の自立を支援するということ   
第2章 バリューチェーンファイナンスが実現するビジネスモデル   
◆バリューチェーンファイナンスとは何か   
顧客への影響を意識していない銀行/バリューチェーンファイナンスの定義/Value―企業が付加価値を生む構造を「見える化」する/Chain―価値が形づくられるつながりにともに関わる/Finance―企業と金融機関がともに成長を支え合う金融手法   
◆バリューチェーンファイナンスは、金融のビジネスモデルをどのように変えていくのか   
バリューチェーンファイナンスと信用リスク管理/信用格付と与信方針を区分して考える/バリューチェーンファイナンスが実現するビジネスモデル   
◆バリューチェーンファイナンスを実践している金融機関   
第四銀行の事例/広島銀行の事例/西武信用金庫の事例   
第II部  バリューチェーンファイナンスを実現する顧客との対話   
第3章 企業と銀行の対話はどのように失われていったか   
◆企業と銀行の情報の非対称性はなぜ発生するのか   
情報を隠し合う企業と銀行の関係/「客観性と説明責任」の誤った運用がもたらしたもの/「成功するビジネスモデルは説明しにくい」というジレンマ/「業種」と「ビジネスモデル」   
◆形式化された情報の限界   
財務スコアリングモデルの限界を知る/「債務償還年数」という誤解/「案件」の審査か「稟議書」の審査か/企業経営者と銀行員における思考の逆転   
第4章 顧客のバリューチェーンにともに関わる「対話」の在りかた   
◆対話のレベルにおける三つの段階   
対話とは「ともに観る」こと/他者である「誰か」―「お金レベルの対話」/銀行員の靴を脱ぐ―「事業レベルの対話」/「われわれ」の将来の視点に立つ―「経営レベルの対話」   
◆事業・経営レベルの対話を高めていくための処方箋   
企業の「事業」、「経営」の課題に向き合うための定性情報/企業評価の空白地帯/銀行で定性情報が活用されない理由/企業を観るポイントは、過去・現在から将来へ/競争優位の源泉を評価する「知的資産経営評価」/自社の経営状態を説明する能力としての「財務経営力」   
◆企業の成長要因を可視化する「収益結晶化理論」   
「収益結晶化理論」/財務情報と定性情報を一体化した経営実態把握手法へ   
第III部 バリューチェーンファイナンスを実現する銀行の業務設計   
第5章 部分最適を生み出す銀行の組織構造   
◆銀行における組織問題の深層   
なぜ銀行の組織はタテ割りになってしまうのか/部分最適のバッドサイクル/「だってしょうがない」私という銀行員の自己正当化欲求   
◆銀行での全体最適の業務設計は可能か   
リレバンに取り組む銀行ほど現場が疲弊している理由/「顧客の引力」による全体最適   
第6章 顧客中心の業務を設計する   
◆バリューチェーンファイナンスを実現する顧客中心業務設計   
顧客中心業務設計とは何か/業務分析から見えてくる顧客情報の分散/銀行業務の因数分解   
◆顧客中心業務設計の実践   
顧客への影響を意識するアカウントプラン/顧客中心業務を実現する組織/顧客中心業務設計への7つのステップ/顧客中心業務設計のポイント