KINZAIバリュー叢書 金融機関のガバナンス

KINZAIバリュー叢書 金融機関のガバナンス

定価:1,760円(税込)

編・著者名:天谷 知子 著

発行日:2013年05月09日

判型・体裁・ページ数:四六判・192ページ

ISBNコード:978-4-322-12310-4

書籍の説明

著者の略歴

天谷 知子(あまや ともこ)
東京大学法学部卒。1986年大蔵省入省。銀行局課長補佐、欧州連合日本政府代表部一等書記官、金融監督庁長官官房課長補佐、金融庁総務企画局国際課企画官、監督局保険課審査室長、検査局総務課調査室長、監督局リスク分析参事官、証券取引等監視委員会事務局課徴金・開示検査課長等を経て、2011年7月より東京大学公共政策大学院客員教授に現職。

書籍紹介及び目次抜粋

ベアリングズ破綻、サブプライム・ローン問題、「ロンドンの鯨」事件、金融検査事例集等を題材に、ガバナンスを考える!
◆組織は人間の集まりにすぎない。これが、あたかも一つの生物のように機能している完璧なガバナンスを構築することを目指すのは現実的ではない!
◆不祥事件、金融リスク管理……、ガバナンスの失敗にどのように向かい合い、そこからどのような教訓を学べばよいのだろうか?
◆「内部統制」「コーポレート・ガバナンス」「コンプライアンス」の位置づけ、規制・監督との関係は?
東京大学大学院 神田秀樹 教授 推薦!
「ガバナンスは失敗を通じてのみ学べるものであり、ガバナンスとは結局のところいかに失敗を小さくするかであるという著者の指摘は、著者らしい鋭い洞察に基づくものであり、説得力がある。」
~「推薦のことば」より抜粋~

●主要目次●
第1章 金融機関とガバナンス
1 注目されたきっかけ―1995年ベアリングズの破綻
(1) ベアリングズ破綻の経緯/(2) チェック&バランス(バックとフロントの分離)/(3) 内部監査/(4) レポーティングライン/(5) 見過ごされたサイン/(6) ビジネスへの無関心
2 相次ぐ類似事件
(1) 大和銀行ニューヨーク支店事件/(2) さらに続く事件
3 ガバナンスに関する議論と教訓
第2章 金融リスク管理
1 金融リスク管理の失敗―サブプライム・ローン・ビジネスにのめりこんだ金融機関
(1) なぜサブプライム・ローン・ビジネスにのめりこんだか/(2) ワシントン・ミューチュアル、RBS、UBSの事例
2 金融機関と金融リスク管理
(1) 金融リスク管理とガイダンス/(2) 金融機関のリスク管理の特殊性とリスク管理の「コンプライアンス化」/(3) ビジネス・モデルの違いとリスク管理手法/(4) リスクの計測と数値の自己目的化/(5) 平時とショック時(予防対応と事後対応)に二分できるか
第3章 ガバナンスの関連分野
1 内部統制
(1) 経緯/(2) COSO内部統制フレームワーク/(3) 財務報告法制への取込み/(4) 特色と限界
2 コーポレート・ガバナンス
(1) 経営者を縛る/(2) 制度としてのコーポレート・ガバナンス/(3) コーポレート・ガバナンスと金融危機
第4章 ガバナンス失敗の背景
1 性弱説
(1) 性悪説vs性善説、そして性弱説/(2) より広く性弱説を考える
2 見えるものと見えないもの
(1) 可視化の功罪/(2) 組織の風土・気風、カルチャー/(3) 集団的思考(groupthink)
3 ゆがみが現れるとき
(1) サイロ(タコ壺・縦割り)化と「点と点を結びつける」/(2) 「成功」
第5章 ガバナンスの失敗は防げるか
1 ダイナミックなプロセスとしてのガバナンス
(1) PDCAサイクル/(2) 「ひやりはっと」の精神/(3) 責任追及vs再発予防
2 経営陣の役割
(1) 経営陣の役割とは/(2) 川下から川上へ