図説 損害保険代理店ビジネスの新潮流

図説 損害保険代理店ビジネスの新潮流

定価:2,200円(税込)

編・著者名:株式会社トムソンネット編 鈴木治・岩本堯 著

発行日:2013年05月29日

判型・体裁・ページ数:A5並・252ページ

ISBNコード:978-4-322-12196-4

書籍の説明

書籍紹介及び目次抜粋

◆2000年に名実ともに保険料率の自由化に突入した日本の損害保険業界は、相次ぐ大規模災害の発生もあり、閉塞感が漂っています。この閉塞感を打破するには、これまで個人物件に重点を置き拡大してきた損害保険事業のビジネスを抜本的に見直し、中堅・中小企業市場分野の開拓・深耕に本腰を入れて取り組む必要があります。   
◆新たな成長戦略と事業費のさらなる削減の双方で重要な役割を担うのが、損害保険商品の流通機能を果たす「損害保険代理店」の存在です。近年、保険流通の分野に、リスクのプロを自認し、高い生産性を誇る代理店が多くみられるようになり、その存在感を高めています。   
◆本書では、変革を迎える損害保険代理店の新たなビジネスモデルの潮流について、歴史、海外事情、先進的な代理店への取材などをふまえ、図やグラフを多用し、わかりやすく解説します。   
●主要目次●   
序 章 損害保険代理店をめぐる今日的課題   
損害保険代理業は1兆円ビジネス/日本における損害保険代理店の誕生/保険の流通を担うのは、「代理店」「仲立人」と「直販」/保険代理店の権利と義務および責任(その1)/保険代理店の権利と義務および責任(その2)/米国・保険専門誌『Best's Review』に載った提言/損害保険代理店の誕生から100年、当時の課題と展望/損害保険代理店……その今日的課題   

第1章 戦後における損害保険代理店発展の歴史   
昭和20年代―戦後の混乱と規制の枠組みの確立―/昭和30年代―新商品ラッシュと業務規制強化―/昭和40年代―モータリゼーションの進展と“専業プロ第一世代”の誕生―/昭和50年代―個人物件路線の進展と“専業プロ第二世代”―/昭和60年代―積立型商品ブームと“専業プロ第三世代”―/「戦後における損害保険代理店の歴史」を総括する   
第2章 日米保険協議の決着と自由化への突入   
(1)日米保険協議の決着(1996~1997年)/(2)算定会料率制度の改革(1998~1999年)/(3)保険料率と代理店制度の自由化(2000~2001年)/(4)新商品開発ラッシュと自然災害の多発(2002~2004年)/(5)保険金不払問題と東日本大震災の発生(2005年~)/三大損害保険グループの決算をみる(2012年3月期)   
第3章 自由化の進展と損害保険代理店をめぐる環境の激変   
1996年以降の収入保険料と支払保険金の推移/損害率、事業費率、合算比率(C/R)の年度別推移/損保各社の事業費率、損害率の年度別推移(単体決算ベース)/日米損保産業の事業成績比較(2010年)/(米国と韓国)損害率、事業費率、C/Rの年度別推移/日・米・欧・韓の主要経営指標比較(2010年度)/ビジネスモデル別にみた損益構造比較(2010年度)/損害保険代理店数と代理店手数料率の推移/日米間の代理店手数料率比較(個人自動車保険)/今後の収益環境の見通しと改善対策/代理店と営業課支社機能の抜本的改革(方向性)   
第4章 米国にみる損害保険会社の保険代理店戦略   
米国損害保険市場の特徴/米国個人物件市場の商品構成と代理店構成(2010年)/米国個人自動車保険の会社別保険料シェア(2010年)/米国ホームオーナーズ保険の会社別保険料シェア(2010年)/Allstate(オールステート)の保険代理店戦略/Allstate(オールステート)のマルチ販売チャネル戦略/Progressive(プログレッシブ)の保険代理店戦略―戦略の骨子と背景―/Progressive(プログレッシブ)の戦略の詳細(1)―保険代理店と通販の融合ビジネスモデル―/Progressive(プログレッシブ)の戦略の詳細(2)―アンダーライティングと保険料決定の仕組み―/米国の企業物件市場の商品構成と代理店構成(2010年)/米国企業物件市場の会社別保険料シェア(2010年)/Safeco(セーフコ)の保険代理店戦略/Safeco(セーフコ)のITによる代理店戦略/Philadelphia Insurance(PHLY)の市場開拓戦略/PHLYのニッチ市場開拓のビジネスモデル   
第5章 海外にみる保険代理店/保険ブローカーの先進的ビジネス
米国の独立代理店と専属代理店/米国独立代理店・保険ブローカーのビジネスモデル/米国独立保険代理店&ブローカー協会の活動/米国独立代理店の大型化/米国の先進的代理店・保険ブローカーの紹介/英国の事例紹介   
第6章 わが国における損害保険代理店ビジネスの現状   
損害保険会社における営業の業務/損害保険会社・支店の機構・機能と代理店の位置づけ/損害保険代理店の役割と業務/日本における代理店形態の特徴/保険募集に従事する人たち/日本における代理店のビジネスモデル   
第7章 東日本大震災の発生で見直された損害保険代理店の役割   
東日本大震災の概要と被害規模/東日本大震災による家計分野の保険金支払実績/(家計地震保険)見直された地元保険代理店の役割/(企業向け地震保険)大手企業の加入状況/保険代理店の役割、大事なのはR/Mと危機管理   
第8章 日本版独立代理店の誕生   
専業プロ代理店の実態調査と訪問ヒアリング/日本版独立代理店の誕生/保険会社とこれからの保険代理店の関係を考える/(課題その1)新成長戦略の実現とR/Mの推進/(課題その2)保険会社の果たすべき営業推進機能/(課題その3)保険商品の開発と既存商品の改善/(課題その4)代理店の業績評価と新しい代理店手数料体系/(課題その5)保険会社と代理店双方の業務の効率化   
第9章 損害保険代理店の経営課題と今後の方向   
保険代理店経営を成功に導く視点/保険代理店の経営課題(1):ビジネスモデルの確立/保険代理店の経営課題(2):従業員の採用・育成と報酬制度/保険代理店の経営課題(3):取引保険会社の選択/保険代理店の経営課題(4):経営効率化のためのシステム活用   
第10章 結びにかえて―損害保険業界のさらなる発展に向けて―   
自由化の進行が損害保険業界をどう変えたのか?/企業物件市場の開拓と新たな損害保険市場の創設/損害保険代理店の役割と社会的認知の向上に向けて