貸出業務の信質(しんしつ)

貸出業務に携わる人の矜持

貸出業務の信質(しんしつ)

定価:2,640円(税込)

編・著者名:吉田重雄(著)

発行日:2012年06月29日

判型・体裁・ページ数:四六・328ページ

ISBNコード:978-4-322-12126-1

書籍の説明

書籍紹介及び目次抜粋

「貸出業務の本来のあり方」を問う最新作!
◆貸出業務の遂行に際して道徳や倫理感が薄れ、「数字は力である」といった収益至上主義や成果主義の悪い部分が顕在化していませんか?真に貸出先のことを考えて行動する銀行家と呼べる人はどれほどいるでしょうか?貸出業務における「質」の管理は、業務内容にとどまらず担当者の問題でもあると受けとめる必要があります。
◆現実の検証(貸出業務をめぐる環境変化、担当者のレベル、金利競争をどうみるか)、真っ当な貸出業務の考え方(貸出業務の基本・要諦、貸出判断の基準、コンプライアンス経営)、意識改革と行動改革(貸出業務担当者の矜持、経営が宣言すべきこと、審査部の役割、貸出担当者の育成)について、豊富な資料をもとにわかりやすく解説します。
◆全国の金融機関で多くの融資研修実績を有する筆者が、実際に金融機関の役職員と議論した内容などをふまえ書き下ろした一冊です。好評書籍『貸出業務の王道』に続き、「貸出業務の本来のあり方」を問う待望の最新作。
吉田重雄氏著の好評既刊
『事例に学ぶ貸出判断の勘所―資金使途の検証にみる「貸出の王道」―』
『事例に学ぶ貸出先実態把握の勘所―「取引先概要表」の作成と財務・実体面の動態把握―』
『事例に学ぶ貸出担当者育成の勘所―貸出業務の本質とOJTによる人材育成―』
『貸出業務の王道』
●主要目次●
プロローグ  銀行ノ生命ハ信用ニ在リ/現場の会議
第1部 現実を直視して考える
―不愉快な事実と不都合な真実―
第1章 貸出業務をめぐる環境変化
経済成長率の推移と貸出業務/部門別資金過不足の変化
第2章 貸出業務とは
貸出業務の意義/貸出業務の目的/数字至上主義/質より量か/貸出業務の目標設定について
第3章 堕ちた担当者のレベル
貸出業務は免許制/他律的生き方/貸出担当者のレベル低下/意図に対する期待としての信頼/貸出先のことを知っているか/貸出判断を行わない(行えない)担当者/できていない資金使途の検証/できていない動態的債権管理
第4章 恥ずかしい行為
本業に対する正しい認識/ウソの稟議書/早割り・早貸し/貸込み・期末協力依頼/今期収益のために/契約書等を読まない・事務を知らない/優越的地位の濫用
第5章 金利競争
金利引下げ競争の実態/金利引下げ競争をどうみる?/「囚人のジレンマ」/貸出金利の機能/金利競争より価値競争/貸出金利について
第2部 真っ当な貸出業務の考え方
―誠実に王道を歩むために―
第6章 貸出業務の基本
基礎・基本が重要/貸出業務の意義と機能/貸出業務の基本原則/貸出事務の重要性/銀行取引約定書
第7章 貸出業務の要諦
貸出業務の要諦/債権管理/守りの貸出業務/逃げ足が速いという批判
第8章 貸出判断の基準
判断の尺度/正しいか正しくないか/儲かるか儲からないか/数値目標に寄与するかしないか/政策判断/だれがいったのか/常識について
第9章 貸出業務とコンプライアンス経営
銀行のコンプライアンス経営/収益よりコンプライアンス優先の貸出/行内規程の遵守も大事/経営の健全性の確保/銀行法について/誠実さを貫く
第3部 真っ当な貸出業務を行う
―意識改革と行動改革―
第10章 貸出担当者が歩む王道
貸出担当者の矜持/「ゆでガエル」シンドローム/日本経済の成長発展とバンカーの役割/貸出担当者としての役割/プロの道を歩む/組織のなかで/信用を高める
第11章 経営が宣言すべきこと
経営者の認識/経営における「ゆでガエル」シンドローム/経営が宣言すべきこと/ルネサンス
第12章 審査部の役割
審査能力の重要性/審査体制の変化と審査部の地位低下/バブル期の貸出運営/審査部の文化/新しい審査の目/新しい審査部が行うべきこと/スコアリングモデル貸出について
第13章 貸出担当者の育成
無免許運転は行わせない/人材を育成する意味/いままでの人材育成/支店で行う貸出業務の担当者育成/研修所の役割/審査部宛トレーニー制度/アナクロニズム教育
エピローグ  「信質」の追求