ハーバード・ケーススタディ方式で企業財務を学ぶ

ハーバード・ケーススタディ方式で企業財務を学ぶ

定価:2,640円(税込)

編・著者名:山田 晴信 著

発行日:2012年06月26日

判型・体裁・ページ数:A5・224ページ

ISBNコード:978-4-322-12112-4

書籍の説明

著者の略歴

〈著者紹介〉
山田 晴信(やまだ はるのぶ)
1950年生まれ。東京大学(工学部航空学科宇宙コース)卒業、ハーバード大学経営学大学院卒業(MBA)。
1973年通商産業省(現経済産業省)に入省後、モルガン・スタンレー社(在NY、東京)マネジング・ダイレクターを経て、内閣総理大臣補佐官付、HSBC証券会社代表取締役社長、香港上海銀行在日副代表兼副CEOなどを歴任。
あわせて慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)の特別研究教授(証券市場論担当)を経て、現在は日本CFO協会理事、東京女子大学理事、宇宙航空研究開発機構(JAXA)上席参与などを務める。
著書には、『官僚の本分』(小学館文庫、共著)、『21世紀の金融を考える―グローバル化と金融技術革新』(東京理科大学、共著)、『グッド・バリュー―社会人に求められる“価値観”とは』(金融財政事情研究会、監訳)などがある。

書籍紹介及び目次抜粋

さまざまなケースを通して、資金調達とM&Aがわかる。コーポレートファイナンスの教科書!
◆実例を用いながら、ファイナンスの理論をやさしく解説し、企業財務の基本を実践的に理解できる!
◆6つのケースに設問が与えられ、ファイナンス担当の大学教授が登場して、設問に対する回答を用意。教授との対話を通して企業財務の典型的な問題の設定とアプローチの仕方・考え方を学ぶ!
◆充実した補足説明も用意。各ケースの課題を検討する際に参考となるような理論と法制度に関する基礎的知識をわかりやすく紹介!
「あとがき」より―抜粋―
 本書は、私が自らの経験のなかで探求し学んできたものを、できるだけわかりやすく伝えたいと思ってまとめたものです。この本を読んで、ややもすれば難解と思われがちなファイナンスの世界が身近に感じられたらうれしく思います。
 ケーススタディ方式は、私が留学したハーバード・ビジネス・スクール(HBS)で伝統的に採用されてきた教育方式です。留学当時(1970年代後半)HBSでは、次の3つを教育の柱として将来の経営者を育てていました。
   Knowledge 知識
   Skill 技能、スキル
   Attitude 心構え、経営姿勢
 Knowledgeは、企業経営にかかわるさまざまな理論や制度についてのバランスのとれた実務的で有用な知識です。経営者にとって必要な知的フレームワークといえるでしょう。Skillはそうした知識を基礎に状況を分析し考察するためのツールを使いこなす技能やスキルです。当時はパソコンもまだ登場していない段階で、せいぜい電卓で分析できる程度の内容が中心でしたが、基本的な考え方はいまも変わりません。Attitudeは経営者としてもつべき経営哲学・価値観といえるでしょう。
●主要目次●
第1章 会社設立
―A食品サービス株式会社―
I 初年度――利益と現金残高
補足解説1−1 キャッシュフロー
補足解説1−2 ビジネスモデルとは何ですか
II 第2年度――予算と資金調達の妥当性
補足解説1−3 銀行取引の基礎
補足解説1−4 会計上の利益(Earnings)と経済的利益(Economic Income)の違い
III 第3年度以降――投資評価の分析方法
補足解説1−5 株式価値の評価理論(CAPM理論)
補足解説1−6 財務戦略の基礎
第2章 上場(IPO)とM&A
―Bファッション・ボード株式会社―
I 上場(IPO)準備
補足解説2−1 株式による資金調達(増資)
補足解説2−2 株式市場をめぐる学生との対話
II 上場(IPO)
III M&A(合併・買収)の検討
補足解説2−3 株式価値の評価理論(マルティプル法)
IV M&Aと組織づくり
第3章 企業戦略とビジネスポートフォリオ
―D電工株式会社―
I 事業の「選択と集中」とM&A(売却)
補足解説3−1 レバレッジ効果
第4章 金融・資本市場の動向と資金調達手段の選択
―E電力株式会社―
I 2010年度資金調達計画の検討(フクシマ以前)
補足解説4−1 金融・資本市場動向と資金調達のタイミング
II 2011年度資金調達計画の見直し(フクシマ以後)
第5章 事業再生ファイナンス
―Fシステム株式会社―
I 増  資
II 第三者割当増資
第6章 企業の社会的責任
―G商事株式会社―
I 環境問題と資金調達
補足解説6−1 プロジェクト・ファイナンス
補足解説6−2 赤道原則(Equator Principles)
まとめ 日本版CFOの役割と財務戦略