証券化―新たな使命とリスクの検証

証券化―新たな使命とリスクの検証

定価:5,060円(税込)

編・著者名:川北英隆編著                   桑木小恵子・渋谷陽一郎・高橋智彦著

発行日:2012年01月27日

判型・体裁・ページ数:A5・568ページ

ISBNコード:978-4-322-11953-4

書籍の説明

書籍紹介及び目次抜粋

◆証券化の仕組み、歴史、リスクから、サブプライムローン問題とそのマクロ経済的背景、法制度、会計・税務、今後の課題を詳解。
◆日本の証券化元年といわれる1996年からこれまでの証券化をめぐる事象を詳細に分析し、課題や改革の方向性について論じる。
◆日本の証券化市場において、大きな課題を投げかけた「消費者金融債権」と「不動産」の証券化について、仕組リスクや関係機関の対応等を検証し、証券化の今後の課題を探る。
●主要目次●
第1章 証券化の仕組み
1 資金供給の方法と差異/2 証券化の仕組み/3 証券化と類似の仕組みと異同/4 証券化の特徴と本書の範囲
第2章 証券化の登場と進展
1 アメリカの証券化/2 日本における証券化
第3章 証券化商品への投資とリスク
1 証券化商品のリターンの源泉とリスクの特徴/2 証券化商品のリスク/3 リスクコントロールとトランシェ構造
第4章 証券化の本質と金融制度との関係
1 金融経済における証券化の役割/2 保険と再保険の役割/3 証券化と保険の類似性/4 マクロ的観点からのリスクの評価
第5章 マクロ経済からのサブプライムローン問題
1 サブプライムローンの背景/2 金融危機とその対応/3 サブプライムローン問題への対応
第6章 証券化の仕組リスク SPVの仕組リスク再考
    −新たなSPV理論の再構築のために
1 SPV理論のパラダイムシフトとSPVの仕組リスクの顕在化/2 導入当初からのSPV理論と従来利用されてきたSPVの仕組類型/3 なぜ、わが国においてSPV理論のパラダイムチェンジは生じたのか/4 SPV理論のパラダイムチェンジ再び―2007年以降における公的規律を包摂したSPV理論へ
第7章 証券化の格付に対する公的規制の導入
1 証券化の格付における信用格付機関の役割と格付規制の限界/2 信用格付機関から信用格付業者へ/3 証券化に対する公的規制の導入過程―2006年という転換点/4 格付規制の導入―国際協調と国内動向/5 米国SECによる信用格付機関検査の報告書ならびに円卓会議記録/6 改正金商法による格付規制の導入/7 格付規制における証券化の定義/8 格付とコンサルティング行為の同時提供禁止/9 格付提供の情報開示/10 信用格付業者における業務管理体制の構築/11 格付規制のむずかしさ/12 格付規制の適切な運用への期待
第8章 証券化をめぐる会計制度[開示の基本スタンス]
1 情報開示の意義と必要性/2 開示を支える基本スタンスが議論となった契機(エンロン事件)/3 会計基準設定思考のパラダイムシフト/4 アメリカにおけるABSに関する情報開示制度/5 わが国における証券化商品に関する開示制度/6 証券化をめぐる開示主体
第9章 証券化をめぐる会計制度[連結対象]
1 米国会計基準におけるSPE連結の範囲/2 わが国の会計基準における原則主義に基づくSPE連結の判断基準/3 国際会計基準の動向とわが国の対応
第10章 証券化をめぐる会計制度[開示項目]
1 わが国における証券化商品の情報開示の現状と問題の所在/2 証券化のリスクと開示項目の関係/3 日米における証券化に関する開示項目比較/4 会計制度に関するまとめ
第11章 証券化商品に関する会計と税務
1 ビークルに係る法人税/2 個人投資家に係る所得税/3 法人投資家に対する会計処理と法人税
第12章 金融証券制度の行方
1 原資産の問題/2 証券化の問題/3 金融工学とデリバティブのかかわり方/4 信用格付の問題/5 金融機関と規制/6 金融証券制度のあるべき方向性
第13章 制度としての証券化
1 制度としての証券化/2 証券化のコアとしてのSPVのあり方/3 リスク評価と開示制度/4 その他の関係機関の役割と投資家
参考1 消費者金融債権証券化の仕組リスク
−2006年の旧貸金業法リーガルリスクに起因する仕組リスクと資産リスクの交錯
参考2 不動産証券化の仕組リスクと担い手論
−新しい仕組みの構築に向けて