Q&A アメリカ金融改革法

ドッド=フランク法のすべて

Q&A アメリカ金融改革法

定価:3,740円(税込)

編・著者名:松尾直彦著

発行日:2010年12月24日

判型・体裁・ページ数:A5・392ページ

ISBNコード:978-4-322-11748-6

書籍の説明

著者の略歴

松尾 直彦(まつお なおひこ)氏
弁護士およびニューヨーク州弁護士(西村あさひ法律事務所)、東京大学大学院法学政治学研究科客員教授。1986年東京大学法学部卒業、大蔵省入省、1989年米国ハーバード大学ロースクール修了(LL.M.)、1990年米国ニューヨーク州弁護士登録、1996年司法修習修了。
大蔵省(銀行局、大臣官房、国際局等)を経て、2001年金融庁総務企画局政策課課長補佐、2002年同局国際課企画官、2005年同局市場課投資サービス法(仮称)法令準備室長(2006年金融商品取引法令準備室長)兼政策課法務室長、2007年東京大学公共政策大学院客員教授、2008年東京大学大学院法学政治学研究科客員教授を経て、2009年より現職。

書籍紹介及び目次抜粋

◆1601条・848ページに及ぶ膨大で包括的な金融改革法(ドッド=フランク法)の重要ポイントを、298のQ&Aで簡潔・明瞭に解説。アメリカの金融規制機構の構図とその改革像にも言及。
◆金融安定規制を総合的に詳説。預金金融機関に加え、ノンバンク金融会社、大規模相互連関銀行持株会社、銀行持株会社、証券持株会社、私募ファンド投資助言業者等に関するQ&Aも豊富に掲載。
◆ボルカー・ルール、デリバティブ規制、FRB(連邦準備制度理事会)の緊急貸付権限の制限、FDIC(連邦預金保険公社)の緊急安定化措置、預金保険制度の改革等をめぐる論点も網羅。
◆投資者保護の強化、SEC(証券委員会)の機構改革・権限強化、信用格付会社の規制改善、資産証券化プロセスの規制強化、公開会社のガバナンス改革、カードの手数料制限、高齢投資者の保護、抵当貸付の改革等についても多角的に記述。
東京大学大学院法学政治学研究科 神田 秀樹 教授 推薦!
「本書の著者は、長年金融庁に勤務し、2006(平成18)年の金融商品取引法制の整備に携わったほか、国際的な経験も豊富であり、そのような著者により今回のドッド=フランク法の詳細な解説書が世に送り出されることは、関係者にとって非常にありがたいことである。この分野に関心をもつ方々に、広く本書をお薦めしたい」
●主要目次●
第1章 ドッド=フランク法の概要
1 ドッド=フランク法の概要/2 ドッド=フランク法の構成/3 ドッド=フランク法の経緯/4 アメリカの金融改革の歴史におけるドッド=フランク法の位置づけ/5 ドッド=フランク法の施行
第2章 アメリカ金融規制機構の改革
第1節 概  要
1 アメリカ特有の多元的な金融規制機構の維持/2 SECとCFTCの併存の維持/3 州免許のみの保険会社制度の維持
第2節 金融安定監督評議会
第3節 財務省金融調査局の設置
第4節 連邦金融規制機構の権限分配の再編
第5節 財務省連邦保険局
第6節 金融消費者保護局
1 金融消費者保護局の設置/2 金融消費者保護局の組織/3 金融消費者保護局の独立性・自律性/4 金融消費者保護局の所管範囲/5 金融消費者保護局の権限
第7節 連邦準備制度の機構改革
第8節 その他
第3章 アメリカ金融安定規制
第1節 システム上重要な金融機関の規制
1 システム上重要な金融機関の範囲/2 システム上重要な金融機関の規制原則/3 外国機関のアメリカ金融市場へのアクセス/4 FRB監督ノンバンク金融会社の決定/5 FRB監督ノンバンク金融会社の登録/6 FRB監督ノンバンク金融会社および大規模相互連関銀行持株会社に適用される健全性基準/7 FRB監督ノンバンク金融会社および大規模相互連関銀行持株会社に対する制限措置/8 FRB監督ノンバンク金融会社および大規模相互連関銀行持株会社に対する報告義務・検査・エンフォースメント措置/9 銀行持株会社およびノンバンク金融会社への厳格な基準の適用
第2節 金融会社の整然清算権限
1 金融会社の整然清算の一般原則/2 整然清算開始の手続/3 FDICの整然清算権限/4 整然清算基金
第3節 預金金融機関および持株会社の規制強化
1 概要/2 ノンバンクの制限/3 FRBの報告徴取・検査権限拡大など/4 自己資本要件および経営管理要件の強化/5 預金金融機関の規制強化/6 証券持株会社の規制/7 ボルカー・ルール/8 大手金融会社の集中制限/9 金融安定のためのデリバティブ規制
第4節 FRBの緊急貸付権限の制限とFDICの緊急金融安定化措置など
1 FRBの緊急貸付権限の制限/2 FDICの緊急金融安定化措置/3 預金保険制度の改革/4 証券投資者保護の上限額引上げ
第5節 資金・清算・決済の監督
1 趣旨・目的/2 定義/3 指定/4 リスク管理/5 監督
第4章 非規制分野の規制
第1節 デリバティブの規制
1 デリバティブの規制の概要/2 デリバティブの定義/3 SECとCFTCの機能分担の維持と調整/4 デリバティブの清算/5 デリバティブの取引所などの規制/6 デリバティブの取引情報の報告・公表規制/7 デリバティブの取引者の規制/8 デリバティブの取引規制/9 デリバティブの不公正取引規制/10 国際関係/11 その他
第2節 私募ファンド投資助言業者の規制
1 私募ファンド投資助言業者の登録/2 登録私募ファンド投資助言業者の監督/3 その他
第5章 投資者保護および証券規制の改善
第1節 投資者保護の増大
第2節 SECのエンフォースメントおよび救済権限の強化
第3節 信用格付会社の規制の改善
第4節 資産証券化プロセスの規制強化
第5節 公開会社のガバナンス改革
1 公開会社の役員報酬ガバナンス/2 公開会社の委任状勧誘規制の強化/3 その他公開会社のガバナンス改革
第6節 PCAOBの権限強化
第7節 地方債証券
第8節 金融不正に対する量刑強化
第9節 その他開示規制の強化
第10節 SECの機構改革
1 SECにおける投資者保護のための組織の設置/2 SECの経営管理の改善/3 SECの資金調達
第6章 その他改革
1 ファニーメイおよびフレディマック/2 カードの手数料制限など/3 公的資金の取扱い/4 メインストリーム金融機関へのアクセスの改善/5 保険・年金の顧客保護/6 高齢投資者の保護/7 相対貸付の調査研究/8 アメリカ資金の外国政府支援の使用制限/9 監察総監の機能強化/10 抵当貸付の改革