金融所得一体課税の推進と日本版IRAの提案

金融所得一体課税の推進と日本版IRAの提案

定価:1,980円(税込)

編・著者名:森信茂樹 編著 金融税制研究会・NTTデータ経営研究所 著

発行日:2010年08月06日

判型・体裁・ページ数:A5・136ページ

ISBNコード:978-4-322-11690-8

書籍の説明

著者の略歴

森信茂樹(もりのぶしげき)
昭和25年年広島生まれ、昭和48年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省。英国駐在大蔵省参事(国際金融情報センターロンドン所長)、証券局調査室長、主税局総務課長、東京税関長、財務総合政策研究所長等を歴任し、平成18年に財務省を退官。現職はジャパン・タックス・インスティチュート所長、中央大学法科大学院教授。平成18年より東京財団上級研究員、同年9月より金融税制研究会座長。平成22年5月からは金融庁金融税制研究会のメンバー。法学博士(租税法)。
金融税制研究会
座長の森信茂樹教授が中心となって、金融所得税制について検討し、提言を行うことを目的とした研究会。委員は、銀行、証券業界、法曹界、学界、経済団体などの有識者で構成され、税理論の観点だけでなく、業務・システムの観点から、実務的な検討を行う。(注)2010年1月から「金融税制・番号制度研究会」に改称。
株式会社NTTデータ経営研究所
平成3年、システム構築の上流工程を担う企業として、株式会社NTTデータ(当時のNTTデータ通信株式会社)によって設立されたコンサルティング会社。以来、公的分野、民間分野双方に対し、調査研究・政策提言から事業戦略・経営管理に至るまで幅広いコンサルティング・サービスを提供。平成18年より「金融税制研究会」(現「金融税制・番号制度研究会」)の事務局を担当。

書籍紹介及び目次抜粋

平成22年度税制改正大綱で示された「金融所得の一体課税」の具体的プランを示しつつ、公的年金・企業年金を補完する個人型年金非課税制度である日本版IRA(個人退職勘定)の創設を提案する。
◆現行の金融所得に対する課税の問題点を明らかにし、金融所得一体課税制度の必要性を、海外の先進諸国の課税制度と比較しながらわかりやすく解説。
◆仕組みの解説のみならず、法改正まで展望したスケジュール、個別商品についての検討、現実的な課税方法、所得確認システム構築から税・社会保障共通番号制の取扱いの他、地方税を含めた、金融所得一体課税実現に向けての推進策を提言。
◆現行の年金制度の問題点を指摘しつつ、日本版IRAを導入する意義、制度設計の具体的内容、導入スケジュール、システム対応他、検討が必要な論点にまで言及。
◆税理士、公認会計士、金融機関・証券会社職員、研究者のみならず、ファイナンシャルプランナー、システム開発担当者など税務に携わるすべての者必携の書。
●主要目次●
はじめに
(1) わが国金融税制の課題と国際的な潮流
(2) 金融税制研究会の活動の目的とゴール
(3) 本書の内容と構成
第1部 金融所得一体課税の位置づけと導入にあたっての課題
1 現行の金融所得に対する課税の問題点
2 金融所得課税一体化とは
3 わが国における金融所得一体課税の導入状況と評価
4 金融所得一体課税の実現に向けた進め方
(1) 基本的な考え方
(2) 具体的な内容
5 個別金融商品の金融所得課税の一体化の方法
6 インフラの整備(金融所得確認システムの導入)
(1) 金融所得一体課税によって生じる影響
(2) システムの導入による解決
(3) システム利用の流れ
(4) 検討が必要な論点
7 検討が必要な論点と今後の進め方
第2部 日本版IRAの提案
1 年金制度の現状と問題点
(1) 年金制度の構造と課税の仕組み
(2) 公的年金制度に生じている問題
(3) 企業年金等に生じている問題
(4) 老後に備えるための資産形成促進への動き等
2 日本版IRAの提案と制度設計
(1) 基本的な考え方
(2) 具体的な内容
(3) 検討が必要な論点と今後の進め方
【コラム】
・上場廃止株式
・資金調達手段に対する中立性
・記入済み申告制度の導入について
・限度額算出シミュレーション