Ⅵ巻 保証・取引先支援・事業再生編

60001再保証・副保証・裏保証

再保証・副保証・裏保証はそれぞれどのような内容のものか

結論

どれも正式の法律用語ではなく、いろいろな意味に使われている銀行用語であるが、〔解説〕のような定義をすることができよう。

解説

再保証

求償保証(裏保証の(1)を参照)と同じ意味に用いられる。主たる債務者が保証人に対して負担する求償債務を主たる債務(被保証債務)として保証することである。

副保証

保証債務を主たる債務(被保証債務)として保証すること。債権者A、主たる債務者B、保証人Cであるとして、CのAに対する保証債務を主たる債務(被保証債務)として保証人Dが保証する場合の、Dの保証を副保証という。

裏保証

次のような意味で使われている。

(1) 求償保証 債権者Aに対して保証人Cが存在するとき(表保証の関係)、主たる債務者Bが保証人Cに対して負担する求償債務を保証すること(裏保証の関係)。金融機関の支払承諾における保証人や信用保証協会に対する保証人がこれに該当する。そのほか、外貨借入れなどで、ある借主(主たる債務者)Bが外国銀行Aから借り入れるにあたり、幹事金融機関Cの1行だけが外国銀行Aとの間で借入金債務について保証契約を締結し、他の協調融資金融機関D以下がシェアに応じて主たる債務者Bが幹事金融機関Cに対して負担する求償債務を保証する場合がある。第2次保証、再保証などと呼ばれることもある。

(2) 主たる債務者に秘して行う保証 保証人Cが主たる債務者Bに知らせずに(秘密で)債権者Aと保証契約を結ぶこと。子Aが借財するにあたって、その親Cが主債務者である子Aに知らせずに保証する場合等が該当する。民法上は主たる債務者の委託を受けない保証契約にあたり、保証人の求償権の範囲が狭くなるため(民法462条。【60002】参照)、保証人にとっては不利だが、債権者にとっては不利な点はない。

(3) 保証契約の存在を外部に秘密にした保証 たとえば法人が保証人の場合に、保証人の貸借対照表の脚注に記載しない保証などが該当する。保証債務の存在を秘密にすることは違法である場合がある。

(4) 損害担保契約 主たる債務の存否にかかわらず、他人が被った損害をてん補することを約束する契約のこと。保証契約に類似するが、主たる債務の存在を前提としない点で民法上の「保証」とは異なるから(【60006】参照)、裏保証との呼び方は適切でない。