旬刊 金融法務事情
金融判例研究第16号(1780号)
目次
I 預金・為替
- 概観
- 明治大学 松本 貞夫
- (1)無権利者に預金を払い戻したが真の預金者にはいまだ払
い戻していない場合における銀行の無権利者に対する不当利得返還
請求の可否
(最高裁平成17年7月11日第二小法廷判決)
- 名古屋大学 中舎 寛樹
- (2)いわゆる振り込め詐欺の被害者が振込先口座の預金者に
対する不当利得返還請求権を被保全債権として同預金者の銀行に対
する預金返還請求権を代位行使することを認めた事例
(東京地裁平成17年3月30日判決)
- 神戸大学 山田 誠一
II 貸付・管理・回収
- 概観
- 東北大学 河上 正二
- (3)相続税対策を目的とする融資において銀行担当者が税制
改正の事実を顧客に説明しなかったことが信義則上の義務違反に当
たるとされた事例
(東京高裁平成17年3月31日判決)
- 東京スター銀行 渡辺 隆生
- (4)共同相続にかかる不動産から生ずる賃料債権の帰属と後
にされた遺産分割の効力
(最高裁平成17年9月8日第一小法廷判決)
- 学習院大学 野村 豊弘
- (5)銀行が取引先に要請した「協力預金」と自己の貸付債権
と相殺した場合の相殺の効力
(大阪高裁平成17年9月14日判決)
- 広島大学 後藤 紀一
III 担保・保証
- 概観
- 早稲田大学 鎌田 薫
- (6)保証人と物上保証人の二重資格者と単なる物上保証人と
の弁済による代位割合につき、二重資格者の頭数を一人とした上で
担保物の価格に応じて割り付けた事例
(仙台高裁平成16年7月14日判決)
- 慶應義塾大学 池田 真朗
- (7)買戻特約付売買契約の形式を採りながら目的不動産の占
有の移転を伴わず債権担保目的で締結された契約の性質
(最高裁平成18年2月7日第三小法廷判決)
- 慶應義塾大学 片山 直也
IV 法的回収(執行・倒産)
- 概観
- 金融財政事情研究会 川田 悦男
- (8)同順位の根抵当権者の一人が提出した不動産競売事件の
申立書の被担保債権および請求債権の部分における「金8億円 但
し、債権者が債務者に対して有する下記債権のうち、下記債権の順
序にしたがい上記金額に満つるまで」との記載が被担保債権の一部
について担保権の実行をする趣旨の記載ではないとされた事例
(最高裁平成17年11月24日第一小法廷判決)
- 弁護士 小林 明彦
- (9)預金債権の仮差押えについて、預金取扱店舗として、同
一銀行の本店および同一県内の13ないし17の支店に順位を付し
て表示する方式が仮差押債権の特定として十分か
(東京高裁平成17年10月5日決定)
- 三菱東京UFJ銀行 中原 利明
- (10)破産債権者が破産宣告の時において期限付きまたは停
止条件付きであり破産宣告後に期限が到来しまたは停止条件が成就
した債務に対応する債権を受働債権とし破産債権を自働債権として
相殺をすることの可否
(最高裁平成17年1月17日第二小法廷判決)
- 京都大学 山本 克己
- (11)更生会社の管財人が旧会社更生法(平成14年法律第
154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為について
した否認の効果は当該行為の目的物が複数で可分であったとしても
目的物すべてに及ぶ
(最高裁平成17年11月8日第三小法廷判決)
- 一橋大学 小林 秀之
V その他(付随業務・周辺業務等)
- 概観
- 駿河台大学 天野 佳洋
- (12)貸金業者の債務者に対する取引履歴の開示義務
(最高裁平成17年7月19日第三小法廷判決)
- 千葉大学 鎌野 邦樹
- (13)(1)貸金業法施行規則15条の法適合性、(2)債務者が利
息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当
然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力、(3)債務者が利息制限
法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期
限の利益を喪失する旨の特約のもとでの制限超過部分の支払の任意
性の有無
(最高裁平成18年1月13日第二小法廷判決)
- 一橋大学 小野 秀誠
- (14)証券取引における適合性原則違反と不法行為の成否
(最高裁平成17年7月14日第一小法廷判決)
- 京都大学 潮見 佳男
- (15)(1)業務提携を企図した協働事業化に関する本件基本
合意の法的性質、(2)本件協働事業化に関する最終契約が成立した
場合の履行利益は独占交渉義務違反および誠実協議義務違反と相当
因果関係があるとは認められないとされた事例−住友信託銀行対旧
UFJホールディングス事件−
(東京地裁平成18年2月13日判決)
- 中央大学 野村 修也
